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アロマセラピーは、植物から抽出したオイルの香りを使って心身の健康を促す方法だ。「特定の植物の香りが、アルツハイマー型認知症(AD)の予防や初期段階での改善に役立つ可能性があります」と、鳥取大学医学部・認知症予防学講座の浦上克哉教授は話す。
「ADは嗅覚が最初に障害されるのが特徴です。効果的な植物の香りを嗅ぐことで、認知症の進行を抑制できる可能性があります」
夜はアロマを嗅ぎながら良質の睡眠を
◇嫌な臭いが分からない
認知症には数種類あり、ADは6~7割と最多を占める。香りが認識できなくなる嗅覚障害が、認知症の主症状である物忘れ(記憶障害)に先駆けて表れるのは、ADだけだという。
「ADは神経変性疾患に分類される病気です。神経変性疾患は、症状が進む順番が決まっているのが大きな特徴です。ADの場合は、嗅覚をつかさどる嗅神経が最初に障害された後、脳の一部である海馬の変性によって記憶障害が起こります」。つまり、嗅覚障害を早く見つけて進行を抑えることができれば、認知症を予防できる可能性があると考えられるという。
嗅覚障害を早期発見するために、検査キットを使って診断することもできる。さらに言えば日常生活でコーヒーや花などの匂いを感じづらくなったら、要注意だ。「ADの場合、腐った食べ物のような嫌な臭いから分かりにくくなります」
◇香りの刺激と鎮静
ADの嗅覚障害に対して効果が期待できるアロマオイルの使い方は、まずローズマリーカンファーとレモンを2対1の割合で混ぜた香りを日中に嗅ぎ、嗅神経を活性化させる方法だ。夜は真正ラベンダーとスイートオレンジを2対1で調合したアロマを使う。活性化した神経が鎮静し、質の良い睡眠につながる効果が期待できるという。
「AD17人、血管性認知症6人を含む計28人に対して、この割合で実験を行ったところ、ADに対しては認知機能の改善が見られました」
日中、手軽にアロマセラピーを取り入れるには、専用ペンダントがお勧めだ。あらかじめ香りをブレンドしたオイルが販売されているので、ペンダントトップに2滴ほど含ませて首から下げる。2時間以上、香りを嗅ぐとよい。夜は寝室に芳香器を置いて、2~4滴ほど落として香らせる。
「化学合成した香りは長年使うと肝臓を悪くする危険性もあるため、なるべく無農薬栽培された植物の天然アロマオイルを使ってください」と、浦上教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/09/23 05:00)
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