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子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受け、子宮の壁にこぶのような塊ができる良性腫瘍の一つ。30歳以上の女性の20~30%に見られる。おなかを切らずにカテーテルで子宮筋腫を治療する子宮動脈塞栓術(UAE)について、大阪医科薬科大学病院(大阪府高槻市)の大須賀慶悟教授に聞いた。
子宮筋腫の治療法
◇治療のタイミング
子宮筋腫が大きくなると、強い痛みや経血の増加、頻尿、腰痛などの症状が出て日常生活に支障を来すことがある。痛み止めなどの対症療法で抑えられない場合は、ホルモン療法や手術、UAEなどが選択肢となる。
月経を止めるホルモン療法には更年期症状や骨量の減少などの副作用があり、治療期間が半年に限定されている。「閉経間近であれば、ホルモン療法で症状を抑えるのも選択肢の一つです」
手術には根治を望める子宮の摘出と、妊娠の可能性を残すことができる筋腫だけを取り除く筋腫核出術がある。その方法としては、体への負担が少ない腹腔(ふくくう)鏡や子宮鏡など内視鏡下の手術も増加している。一方、手術を希望しない患者や手術リスクのある患者に、代わりになる方法として開発されたのがUAEだ。
◇筋腫の血流を遮断
UAEは、局所麻酔下で足の付け根からカテーテル(細い管)を挿入し、筋腫を取り囲む血管にビーズ(球)状の特殊な物質を流し込む治療だ。塞栓物質が血管をふさぐことで、栄養を絶たれた筋腫が徐々にしぼむが、正常な筋層の血流は残るという。
保険適用され、入院は4~5日間程度で体への負担も少なく、症状の改善が見込める。子宮内膜や卵巣の機能に影響する可能性があるため、原則として妊娠を希望する患者には勧められない。全ての選択肢の中から納得した上で治療を選択することが重要だ。
「子宮筋腫は、家庭と仕事の両立などで多忙な時期にある女性に多く、短期間で治療ができ、生活の質(QOL)が改善するのは大きなメリットです」
ただし、婦人科と放射線科との連携が必要となるなどの課題があり、実施する医療機関は限られている。大須賀教授は「日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会のホームページでUAEを行っている医療機関が検索できますので、アクセスしてみてください」としている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/11/20 05:00)
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