治療・予防

排尿後に鮮血―尿道カルンクル
悪性疾患との見極めが大事(成城せとぐちクリニック 瀬戸口志保院長)

 尿道カルンクルは、高齢の女性の尿道の出口付近にできることが多い良性の腫瘍。出血で気付く場合もあるが、自覚症状が無く、婦人科の受診時に偶然指摘される人もいる。成城せとぐちクリニック(東京都世田谷区)の瀬戸口志保院長は「大半は治療を必要としませんが、ぼうこうや婦人科系の病気が隠れていないかを調べておく必要があります」と話す。

受診しやすい泌尿器科を探してみて

 ▽便秘がち、高齢者も

 尿道カルンクルは、ピンクから赤色の軟らかい腫瘍で、大きさは数ミリから小豆大ほどだ。尿道の出口付近の背中側にでやすく、尿道口から突出している。瀬戸口院長は「もともとあった腫瘍が、いきんだ拍子に飛び出して気付くこともあります」と説明する。

 自覚症状の大半は鮮やかな色の出血で、排尿後に紙や下着に血液が付着したり、いきんだ後にポタポタと出血したりする症状で受診するケースが多い。無症状で、産婦人科の受診時に指摘されるケースもある。「高齢者施設で、介護者がおむつに血液が付着しているのに気付き、受診に至ることも少なくありません」

 原因は詳しく分かっていないが、高齢になるほど増加することから、加齢に伴う尿道粘膜の衰えや女性ホルモンの低下などが挙げられている。便秘でいきみがちな人にも多いという。

 ▽ためらわず泌尿器科へ

 診断は腎臓やぼうこう、子宮がんなどの婦人科系の病気を調べるため、内診とともに尿検査や超音波検査などを行う。他の病気が無く、無症状の場合は治療を必要としないが、むくんで尿が出にくいなどの症状があれば、ステロイドの軟こうを1週間程度使用する。

 「治療をしてもむくみが取れない、頻繁に出血する、見た目が気になるという場合は、腫瘍の切除を行います」と瀬戸口院長。切除は局所麻酔で30分ほどで終わる。腫瘍がやや大きいと、1日入院が必要になることもある。

 悪性疾患の出血と見分けるには、泌尿器科の受診が必要だが、女性は受診をためらうことも少なくない。「今は女性泌尿器科を掲げたり、女性専用の診察時間を設けたりするなど、女性に配慮した泌尿器科があるので、少しでも受診しやすい医療機関を探してみてください」と瀬戸口院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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