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ヘルスリテラシーに関するインターネット調査の結果
健康や医療に関する正しい情報を得て、理解し活用する能力は「ヘルスリテラシー」と呼ばれている。重要性が高まっているヘルスリテラシーについて、大阪公立大学都市健康・スポーツ研究センター(大阪市)の横山久代教授に話を聞いた。
◇情報の入手から活用まで
ヘルスリテラシーとは、健康情報を医師の話やテレビ、インターネット、書籍などから入手するだけでなく、その内容を理解し、信頼できるかを正しく判断する力。さらに、「情報を自分の意思決定に活用できるか。例えば、ワクチンを接種するか否かの判断に生かせるかといった能力です」。
ヘルスリテラシーが必要とされる背景には、「がんや生活習慣病に関し、予防や治療法の選択などで自身が積極的に関わる機会が増えていることが挙げられます。それに加え、コロナ下でさまざまな情報の中から対処法を選択する必要性に迫られましたが、うわさや信頼性の低い情報に振り回され、不利益を被る人がいたことがあります」。
◇85%が「不十分、問題あり」
ただし、日本人のヘルスリテラシーは低いと言われている。横山教授らは、大学生約1000人にヘルスリテラシーに関するインターネット調査を行った。その結果、約85%の学生でヘルスリテラシーが「不十分」、あるいは「問題あり」と判定された。特に健康情報の評価能力、活用能力が低いことが分かった。
「入手した健康情報の信頼性や真偽を判断、評価することに自信がなく、健康増進に情報を活用したり、自分の行動を計画したりするといったことが行えていないことが分かりました」。一方、ヘルスリテラシーが高い人は「健康維持に有益な生活習慣を持ち、自覚的な健康状態も良好でした」。
健康情報を得る際の注意点について、横山教授は▽情報発信源が政府機関などの信頼の置けるところか▽情報の根拠を明示しているか▽最新の精度の高い研究結果に裏付けされた情報か―の三つがポイントと指摘。「得た情報を批判的に吟味すること、健康に良いとされていることが自分にも良いとは限らないことも肝に銘じてほしいです」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/11/23 05:00)
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