治療・予防 2024/11/21 05:00
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子宮体がんの患者が増えている。閉経前後の50代をピークに40~80代の中高年層がかかりやすい。早期発見で完治を望めるので、自覚症状があればすぐに検査を受けることが重要だ。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の加藤友康医師に話を聞いた。
罹患(りかん)数と死亡数(年次推移)
◇二つのタイプ
子宮がんには、子宮入り口付近の頸部(けいぶ)にできる子宮頸がんと、子宮の奥の方の体部(たいぶ)にできる子宮体がんがあるが、両者は別の病気だ。子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)への感染であるのに対し、子宮体がんの発生には卵巣で作られる女性ホルモン、エストロゲンが関わる。
エストロゲンは子宮内膜の増殖を促す。ストレスや更年期などでホルモンのバランスが崩れ、エストロゲンの働きが過剰になると、子宮内膜が厚くなり、がんが発生しやすくなる。
「正常な細胞がエストロゲンの影響で子宮内膜増殖症という前がん病変になり、その一部が体がんに進みます」と加藤医師。子宮体がんの80%以上はこのタイプ(1型)で、進行は遅く、転移も少なく、予後も良好だという。
一方、数は少ないがエストロゲンと関係なく発生するタイプ(2型)もあり、進行が早くてリンパ節に転移しやすく、悪性度が高い。50代までは1型が多いが、60代以降では2型も増える。
◇ステージⅠなら95%完治
子宮体がんが増えている理由の一つに、食生活の欧米化に伴う肥満の増加がある。エストロゲンは脂肪組織からも合成されるため、肥満は1型のリスクになる。高齢化の進展で2型も増加している。
ただし、子宮体がんは早期発見が容易で、治りやすい。代表的な自覚症状は不正出血で、「出血後すぐに検査を受ければ、約7割はがんが子宮体部にとどまるステージⅠで見つかり、95%は完治が望めます」。
治療は、開腹手術で子宮と卵管、卵巣を摘出するのが基本。体への負担が少ない腹腔(ふくくう)鏡下手術が行われることもある。早期なら術後の再発リスクは低いが、リンパ節に転移していた場合は、再発予防のために抗がん剤治療や放射線治療が必要になる。
「不正出血が2週間以上続いたり、閉経後に出血があったりした場合は早めに検査を受けることを勧めます」と加藤医師は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/01/14 05:00)
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~血液がんのホジキンリンパ腫(国立がん研究センター中央病院 伊豆津宏二科長)~