治療・予防 2024/12/23 05:00
薬物療法が大きく進歩
~ぼうこうなどの尿路上皮がん(虎の門病院 三浦裕司部長)~
治療を納得して受けるために、医師に症状を正確に伝えたいと思っても、緊張や遠慮からうまく話せなかった経験はないだろうか。医師との円滑なコミュニケーションのこつは「美容院で髪の悩みや希望する髪形を伝えるのと同じような感覚で、自分の気持ちを素直に医師に伝えることだと思います」と東京医療センター(東京都目黒区)内科の尾藤誠司医長は話す。
素直な気持ちを話す
◇症状の経緯を時系列で
病院や診療科選びに悩むとき、かかりつけ医の存在は大きい。「例えば内科でも耳鼻科でもよいので、気軽に健康問題を相談できる診療所を1カ所、近所に持っておくと、症状と診療科のミスマッチ防止につながります」
初診時は、「困り事の共有」がポイントだという。その際に医師が患者に求めるのは、あくまでも主観に基づく話だ。「痛みなどの困り事が始まった時から現在に至るまでの経緯を、ゆっくり時系列で伝えてください。医師にとって最も貴重な情報になります」。患者がヒリヒリ、ズキズキといった擬態語を使ったりして実感を語るのを参考に、医師は病気の診断を行う。
病歴や他院での検査結果など、主観以外の情報は、医師が質問してから話すよう心掛ける。治療法の疑問などは我慢せず、診断が出たタイミングで切り出すと、聞いてもらいやすい。
◇セカンドオピニオンの利用も
症状や治療に対しての不安は、医学用語ではなく「素直な言葉で教えてください」。例えば頭痛が続いて脳外科を受診する際に「MRIの検査は適応ではないですか」と言うのではなく、「脳にがんがあるのではないかと心配です」と正直な気落ちを伝える。「医療的な判断は医師が行いますが、特定の病気に対する心配や薬が増える不安は、患者さん自身の価値観なので、医師には分からない部分だからです」
診断や治療の選択肢に関して第三者の意見を聞きたい時は、セカンドオピニオンを利用するとよい。「担当医以外の意見を聞くことを嫌がる医師は基本的にはいません。気軽にセカンドオピニオンを検討してほしいです」
余計な緊張感を生じさせないため、患者の付添人は、話を聞くときに立って腕を組むなど威圧的な姿勢は避ける。また、「医師に対して、パソコンばかり見て話を聞いてくれないなどと感じるときは、限られた時間で診察している点を理解してもらえるとありがたいです」と尾藤医長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/01/28 05:00)
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