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就寝時間になっていてもテレビなどを見続け、ベッドに入るのが遅くなってしまう。そのような「就寝を先延ばしする傾向」が強い人では、睡眠不足、夜型への移行などの問題が見られやすいことが分かった。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所(東京都小平市)睡眠・覚醒障害研究部の羽澄恵研究員に聞いた。
就寝先延ばし傾向が強い人の特徴
◇睡眠障害の素地に
オランダの心理学者が2014年に最初に報告し、睡眠不足などとの関連を指摘。その後海外でも、睡眠の問題をもたらす素地になるという研究結果が出ている。
就寝先延ばし傾向の程度については、日本語で評価する方法がなかった。そこで羽澄研究員らは、海外で使われている評価法の日本語版(BPS―J)を作成した。
◇習慣振り返る契機に
BPS―Jは、次の8項目で評価する。〔1〕自分が意図していたより寝る時間が遅くなる〔2〕夜、明かりを消さなければならない時間になったら、すぐに消す〔3〕寝る時間になっても、他のことをしていることが多い〔4〕本当は寝ようと思っている時でも、すぐに他の事に気をとられてしまう〔5〕決まった時間に寝ない〔6〕決まった就寝時間があり、それを守っている〔7〕決まった時間に寝たいと思うが、できない〔8〕寝る時間になったら、それまで行っていた活動を容易に止められる。
〔1〕〔3〕〔4〕〔5〕〔7〕は「ほとんどない(1点)」~「いつもある(5点)」、〔2〕〔6〕〔8〕は「いつもある(1点)」~「ほとんどない(5点)」で評価。8項目の平均点または合計点(最高40点)が高いほど、就寝先延ばし傾向が強いと判断する。
日本人の日勤労働者574人の回答から、点数が高いほど睡眠不足や夜型への移行と深く関連する。また、点数が高い人は終業時刻が遅く、就寝時刻の先延ばしへの抵抗感が薄い傾向があった。
羽澄研究員は「BPS―Jで自分の就寝先延ばし傾向を知ることは、身に付いた習慣を振り返り、生活を見直すきっかけになります」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/08/16 05:00)
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