ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の会長で、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)の入所者自治会長も務める志村康(しむら・やすし)さんが1日午後、同園内の病院で死去した。92歳。佐賀県出身。葬儀は入所者や職員のみで営む。
 15歳だった1948年にハンセン病と診断され、同園に入所。らい予防法(96年廃止)の下で妻が堕胎を強制されるなどの人権侵害を受けた。98年に同法の違憲性を問う国賠訴訟の原告団の1人として提訴。熊本地裁は2001年、国の責任を認め、総額約18億円の賠償を命じる判決を言い渡し、確定した。
 その後、ハンセン病患者とされた男性が非公開の特別法廷で裁かれ死刑となった「菊池事件」を巡る訴訟などに関わり、当事者の立場から元患者や家族の権利回復と救済に尽力した。 (C)時事通信社