体重増を運動で「帳消し」
~ホリデー・ウエイト・ゲイン(医薬基盤・健康・栄養研究所 山田陽介室長)~
休日の飲食の増加で体重が増えることを「ホリデー・ウエイト・ゲイン」と言う。週末のわずかな体重増加も、長年積み重なれば大幅に太ることになりかねない。医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府摂津市)身体活動研究部の山田陽介室長に対策を聞いた。
ホリデー・ウエイト・ゲイン
◇食事増加、活動低下
欧州で行われた1000人規模の研究では、1週間のうちに体重は変動し、日曜日と月曜日に0.1~0.2%程度増えることが分かっている。これは日本人にも当てはまり、「金曜日や土曜日に会食などで食べ過ぎることや、休日を自宅で過ごし平日より歩数が少ないことが体重増加の原因として考えられます」。
起床が遅いことも関係する。「体は睡眠中にエネルギー消費を抑えます。週末に長時間寝ると、代謝が落ちる時間が長くなります。活動量も低下すると、よりエネルギー消費は減ります」
週末に太る量は、体重60キロの人で週100グラム程度。しかし、次の金曜日までに元に戻らず、長年蓄積されればキロ単位になる。「20歳の頃に比べて中年期に10~15キロ増えることも珍しくありません」
◇活動を10分長く
体重を増やさない、増えてもリセットするには、休日にまとまった運動をするとよい。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人(高齢者を除く)に「息が弾み汗をかく程度以上の運動」を週60分以上するよう推奨している。
まとまった運動が難しければ、「1日1000歩または10分間、無理しない程度に活動を増やすといい」と山田室長。特に取り入れたいのは「上下の運動」。階段を上ることや、椅子から立ち上がる動作を5~6回繰り返すといったことだ。立つことが困難な人は少しでも体を動かし、じっとしている時間が長くなり過ぎないようにしたい。
食べ過ぎを防ぐには、食品ごとの「カロリー密度」に着目し、同じ重量でよりカロリーが低い食品に置き換える。「例えば、ひじき、豆腐、切り干し大根は、ポテトチップスより100グラム当たりのカロリーが低いです」(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/07/10 05:00)
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