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めまいと頭痛はいずれも診断が難しく、治りにくい疾患。ふらつきや痛みに耐えながら、日常生活を送る人は多いが、国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)耳鼻咽喉科の五島史行(ごとう・ふみゆき)医師は「一部のめまいと頭痛には関連があることが、最近になって分かってきました」と話す。
◇閉経後の女性は注意
しかし、「日々の臨床経験の中から、めまいを訴える患者の多くが頭痛を感じていることが分かってきました」と五島医師は説明する。同センターの調査では、他院で診断が確定しなかっためまい患者の半数以上が、「片頭痛関連めまい」と呼ばれる疾患だったという。
片頭痛関連めまいは、片頭痛が原因で起きるめまいだ。日本ではこの5年ほどで知られるようになった病気で、閉経後の女性に多くみられるという。「見つかりにくい病気で、もともと片頭痛持ちだった人が回転性や頭位性、浮動性のめまいを繰り返すようになるのが特徴です」と五島医師。
片頭痛関連めまいの患者は、めまい患者全体の10~15%だが、通勤もままならないなど、日常生活に大きな支障を来しているケースもある。もともとの体質と思って諦めている人も多いという。
◇予防とリハビリを
片頭痛関連めまいの治療では、薬物治療と生活指導、めまいのリハビリを行う。薬物治療の予防薬には即効性はないが、しばらく服用すると、片頭痛とめまいの回数が徐々に減ってくるという。急な痛みがある場合には急性期治療薬を使うが、「治療の基本は緩和で、予防が第一です」と五島医師は強調する。
めまいのリハビリでは、ふらつきを治すために、小脳のトレーニングを行う。「首を振る、目玉を動かすなど、めまいを誘発する刺激をわざと与えていくので、最初はリハビリを嫌がる方でも1カ月、2カ月と続けていくと、不快な症状はだんだん治まっていきます」
五島医師は、年間400人前後の患者に対して、「めまいの集団リハビリテーション」と呼ばれる4泊5日の入院治療も行っている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/03/01 13:05)
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