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妊娠によるホルモンの変化で血糖値が下がりにくくなり発症する妊娠糖尿病が増加傾向にある。この病気は胎児の成育や内臓などに悪影響を与えることもあるので注意が必要だ。心臓病センター榊原病院(岡山市)糖尿病内科の清水一紀部長に対処法などを聞いた。
◇巨大児や低体重児に
妊娠糖尿病は2012年に世界共通の診断基準が制定され、「妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常」と定義された。妊娠以前から糖尿病と診断された場合や、妊娠中に明らかな糖尿病と診断された場合は含まれない。
妊娠中は女性ホルモンや胎盤ホルモンなどが血糖値を下げるインスリンの働きを阻害し、血糖値が下がりにくい。これは母親の栄養状態にかかわらず胎児に栄養を送り続けるシステムだが、「現代の食生活では母親が栄養不足に陥ることは少なく、むしろ食べ過ぎで血糖値が高くなりやすい」と清水部長は指摘する。
妊娠糖尿病は軽度の糖代謝異常のため、胎児の奇形の可能性はまれだ。しかし、体重4キロ以上の巨大児や低体重児で生まれる可能性があり、心筋肥大や呼吸器障害、新生児低血糖などが表れやすいという。胎児が大きくなり過ぎると帝王切開を迫られる場合もある。
(2016/11/19 18:12)
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