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じんましんはよく知られている日常的にありふれた病気だ。「膨疹(ぼうしん)」と呼ばれる赤い盛り上がりが特徴でかゆみを伴う。東京女子医科大学(東京都新宿区)医学部皮膚科の石黒直子准教授は「他の病気との最大の違いは、症状が出てから通常は数時間後、長くても半日程度で腫れもかゆみも完全に治まることです」と説明する。
▽ほとんどが原因不明
食べ物は、小麦やソバなどの穀類、エビ、イカ、カニといった魚介類、キウイなどの果物、木の実が出やすい。薬剤ではアスピリンなどの解熱鎮痛剤や抗生物質などもじんましんを引き起こすことがある。
冷たい風や冷水による刺激、皮膚をひっかくなどの機械的刺激、日光や汗、疲労、ストレスなどがきっかけになることもある。
原因が分かれば、それを取り除くことでじんましんを避けることができる。ところが、石黒准教授は「原因不明のじんましんを『特発性じんましん』と呼びますが、実際は何が原因か特定できないケースの方が多いのです。
ただ、原因が分からないからと諦める必要もありません」とする。じんましんの治療法はどのタイプでも共通だ。
▽塗り薬は効果なし
治療は抗ヒスタミン薬の服用が軸。「じんましんは表皮下の真皮の肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの物質によって引き起こされるので、塗り薬では効果は得られません」と石黒准教授。抗ヒスタミン剤を飲むことで不快な症状を抑え、その後のじんましんの発生もかなり抑えることができる。冷たい水や風が原因の寒冷じんましんを除き、氷や保冷剤などで患部を冷やすこともかゆみを抑えるのに有効だ。
じんましんは治療しないまま放置するほど治りにくくなる。「発症してから早いうちに治療を開始した人ほど、治癒の可能性が高くなることが分かっています。発症して1年以内に治療を行った場合、約6~7割が治癒しますが、1年以上5年未満で約4割、5年以上になると治癒率はさらに下がります」
病院に行くときに症状が出ていなくても受診をためらう必要はない。ただ、石黒准教授は「医師に見せるため患部の写真を撮っておくとよいでしょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/09/18 10:00)
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