治療・予防

皮膚症状回復後も続く痛み
帯状疱疹後神経痛

 帯状疱疹(ほうしん)は高齢者に多く、80歳までに3人に1人が発症するといわれている。痛みが強いことはよく知られているが、特に患者を苦しめるのが回復後もつらい痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる症状だ。奈良県立医科大学(奈良県橿原市)皮膚科学教室の浅田秀夫教授に話を聞いた。

 帯状疱疹患者の2割に発症

皮膚の強い痛みには注意を

 帯状疱疹後神経痛について浅田教授は「帯状疱疹では赤い斑点が現れ、それが小さな水膨れになって、さらにただれやかさぶたに変化していきますが、その皮膚症状が完全に治った後も痛みと感覚の異常が残ることがあります」と説明する。

 その痛みは帯状疱疹の発症当初の痛みとは異なり、「しびれるような」「焼けるような」「電気が走るような」「針で刺されるような」などと表現される。衣服が触れただけのかすかな刺激で強い痛みを感じるケースも少なくない。

 瀬戸内海の小豆島で行われた50歳以上の住民を対象にした疫学調査によると、帯状疱疹患者の帯状疱疹後神経痛の発症率は19.7%だった。また、高齢であること、帯状疱疹発症中の皮膚症状が重かったり痛みが強かったりしたこと、免疫力が低下していること―などの要因があると帯状疱疹後神経痛になるリスクが高まることも分かった。

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