帯状疱疹〔たいじょうほうしん〕 家庭の医学

 水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの感染により発症します。三叉(さんさ)神経や顔面神経の支配している領域にみられます。顔のまん中を越えない片側にみられることが特徴です。粘膜・皮膚症状は単純疱疹と類似していますが、治癒したあと三叉神経痛のような痛みが残ることがあります(帯状疱疹後神経痛)。顔面神経領域に出ると顔面神経まひ、耳の周囲の水疱(すいほう)、味覚異常などの症状が出現します。これをラムゼイ・ハント症候群といいます。

 視診で診断をつけ、抗ウイルス薬の内服を1週間おこないます。血液中の帯状疱疹ウイルスの抗体価を1週間あけて2回測定することで、診断を確定しやすくなります。発症から1週間前後で抗体価が上昇しはじめ、2~3週間で最高値となります。
 皮膚症状が治るまでに3~4週間を要します。帯状疱疹後神経痛は、大半の人が半年程度で軽快しますが、長期にわたり残ってしまう人もいて、疼痛コントロールに難渋することがあります。

【参照】
 皮膚の病気:帯状疱疹(帯状ヘルペス)
 感染症:帯状疱疹

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
医師を探す