治療・予防 2024/11/22 05:00
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主にたばこが原因で、喫煙者の約15%に発症すると言われる。禁煙や薬で症状の進行を抑えるのが基本だが、大阪市立大学医学部付属病院(大阪市)呼吸器内科の平田一人教授は「日々の身体活動がCOPDの進行抑制につながる可能性があります」と話す。
少しずつでも毎日体を動かそう
COPDとは、以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた病気の総称だ。肺や気管支に慢性的な炎症ができて、せきやたんが出る、階段の上り下りで息切れを感じるといった症状が表れる。
進行すると、気管支の末端にある肺胞が壊れる「気腫化」が起こり、酸素が取り込めなくなる。そうなると、酸素ボンベが日常的に必要となり、生活の質(QOL)が大きく低下する。
COPD患者の大半が喫煙者だという。国内の患者は500万人以上と推計され、2016年における男性の死因の第8位となっている。
▽継続が大切
平田教授らはCOPD患者40人を対象に、肺機能と気腫化の程度を調べるとともに、「血中アイリシン濃度」の測定や日常の身体活動についてのアンケート調査を実施。その結果、気腫化が進行した患者では身体活動が少なく、血中アイリシン濃度が低いことが分かったという。
「アイリシンは筋肉が収縮すると分泌されるホルモンです。散歩や買い物、自転車での移動といった身体活動時間の合計が週4時間以上と答えた患者では、血中アイリシン濃度が高く、気腫化の進行が穏やかでした」と平田教授。
COPDはこれまで、禁煙や薬による治療でも症状の進行を完全に止めるのは難しいと考えられてきた。しかし、平田教授らの研究を通じて、例えば30分の散歩を毎日続けるだけでも進行を遅らせることができる可能性があることが分かってきた。平田教授は「毎日体を動かして、病状の進行を防ぎましょう」と身体活動を積極的に行うよう勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/01/03 06:00)
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