一流に学ぶ 減量手術のパイオニア―笠間和典医師
(第11回)
「恩送り」で後進の育成
減量手術をもっと多くの人に
減量手術を行う医療機関は現在、笠間和典氏が減量・糖尿病外科センター長を務める四谷メディカルキューブを含めて全国に約30施設。難易度の高い腹腔鏡下の胃バイパス術やスリーブ・バイパス術を行っているのは、まだ6施設しかない。減量手術の件数は日本全体で年間数百件と少ない。
現在、健康保険が適用されているのは、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術だけだ。笠間氏は重症肥満と高度の糖尿病治療に対し、より効果の高いスリーブ・バイパス術の保険適用を目標にしている。
「僕にできるのは、この手術をより多くの外科医が安全にできるよう育てること。先進医療として認められれば、患者さんの負担も少なくなり、効果があることが分かれば、健康保険で認められていくはずです」
このため四谷メディカルキューブでは、ベッドが19床しかない有床診療所でありながら、研修の受け入れを積極的に行っている。
「日本の医師は11人目が研修に来ています。海外から来た医師が見学だけでなく、直接手術に参加できるような認可も取りました。僕の技術を学びたいと言って、海外から無給で来てくれる。意欲のある若者はしっかり育てたいですね」
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