アキレス腱断裂〔あきれすけんだんれつ〕

 腱は筋肉と骨をつなぐロープのような組織で、筋肉の収縮力を骨に伝える役割があります。アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨(踵骨)をつなぐ太く丈夫な腱ですが、ジャンプや急に走り出そうとしたときなどに、突然切れてしまうことがあります。
 切れた瞬間には「うしろからけられた」とか「うしろからボールが当たった」ような感じがしますが、たいていの場合、痛みはそれほど強くありません。アキレス腱が切れても歩くことはなんとかできますが、つま先立ちはできなくなります。
 アキレス腱の断裂が疑われたときは、専門医による診断を受ける必要があります。

[治療]
 治療法には手術をして腱をつなぐ方法、ギプスなどで固定して腱の自然な修復を待つ方法があります。どちらの治療法にもそれぞれ長所と短所がありますので、専門医と相談のうえふさわしい治療法を選んでください。

(執筆・監修:東京大学大学院総合文化研究科 教授〔広域科学専攻生命環境科学系〕 福井 尚志)
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