褥瘡(床ずれ)〔じょくそう(とこずれ)〕

 「寝たきり」や「まひ」のある人が長期間臥床(がしょう)していると、仙骨部など下にかたい骨がある部位に体重がかかってできます。
 最初は皮膚が赤くなり、水疱(すいほう)ができます。皮膚、皮下組織、筋の組織が深くまで死んで(壊死〈えし〉)しまうと、黒褐色の厚いかさぶたが付着しますが、その下は感染が起こってうみがたまってきます。かさぶたがとれた状態で、壊死が深いと、骨が見えるほどになることもあります。


[原因]
 長期間の体重負荷、つまり長時間の圧迫によって皮膚や脂肪、筋肉の血の流れが障害されて、組織が死んでしまう(壊死)ために起こります。口から食事ができないなど、栄養状態の低下も大きく影響します。

[治療]
 体重負荷の防止や、全身の管理、床ずれ局所の処置、感染対策など総合的な治療が必要です。できるだけ頻繁に体位を変えて、体重が1カ所に偏らないようにします。栄養摂取につとめることも大切です。
 床ずれ自体は、外用薬や手術できれいにして、肉芽(にくげ:若い皮膚)のあがりをよくします。
 感染予防対策も重要で、消毒したり、抗生物質も使用したりします。きめ細かな手当てが治療に必要です。

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