電撃傷〔でんげきしょう〕 家庭の医学

 電流による傷害で、いわゆる感電です。電撃傷は、電気がからだの中を流れることによって受ける直接損傷と、感電したときの電気火花による熱傷の2つが組み合わさって起こります。
 電撃傷の多くは、高電圧を扱う人に起こりますが、家庭で使用している100Vの電圧でも、心臓の動きを乱したりして死に至らしめることもありますので注意が必要です。幼児が、電気器具のコードをかんだり、コンセントに金属を差し込んだりして受傷したという話もあります。

[症状]
 電流がからだを通過すると、弱い電流の場合は、ピリピリとした感じがあるだけですが、大量に通過した場合は、心臓などの大切な臓器を傷害して、心停止や呼吸停止が起こったり、即死することさえあります。電気火花は、皮膚に熱傷を起こし、しばしば、皮下組織、筋肉、神経、内臓などにも及びます。
 また、受傷時の爆風により、骨折や打ち身などを伴うこともあります。

[治療]
 呼吸や心臓がとまってしまった場合は、すぐ人工呼吸や心臓マッサージをする必要があります。
 火花によるやけどは、ふつうのやけどと違い、見た目よりも深くまで及んでいることが多く、また時間がたってから損傷があきらかになることもあるので注意してください。
 感電したあとに、意識を失ったり、からだの痛みや倦怠(けんたい)感をうったえたり、血尿がある人は、病院で診察を受ける必要があります。

【参照】応急手当て:感電の手当て

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