クロム
かつて学校の理科の実験室にはガラス器具などを洗うために、黄褐色の重クロム酸の入ったバケツが置かれていました。そこに入っている六価クロムイオンは手の油など有機物のよごれを強力に酸化してくれますが、同時に鼻や肺のがん、皮膚の潰瘍をひき起こします。メッキ工場や化学工場では六価クロムを主成分とするクロム酸が大量に使われますが、そうした工場の跡地などで六価クロムで汚染された土壌の処理が大きな問題になったことがあります。なお、三価のクロムや腕時計などに使われている金属のクロムには、こういう毒性はありません。
(執筆・監修:帝京大学 名誉教授〔公衆衛生学〕 矢野 栄二)
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