医療・医薬・福祉

ニッケグループは愛媛大学と共同で顔面神経麻痺の治療効果向上を目的とする特定臨床研究を開始しました

日本毛織株式会社(ニッケ) 
ニッケならびにニッケの100%子会社である株式会社京都医療設計は、愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の羽藤直人教授、山田啓之准教授と共同で、顔面神経麻痺の治療効果向上を目的として、2023年2月より特定臨床研究を開始しました。 本特定臨床研究は、ニッケグループが製造販売する薬剤徐放性能に優れた研究用ゼラチンハイドロゲル不織布「Genocel(R)」を臨床向けの仕様に改良し、高度顔面神経麻痺患者を対象に、「Genocel(R)」 と薬剤を投与することで、治癒率を評価するものです。 「Genocel(R)」 は他のゼラチンハイドロゲルと比較しbFGF徐放性能に優れるため、治療効果の向上が期待できます。


顔面神経麻痺は、国内でも毎年4~5万人が罹患する、決して稀ではない疾患です。罹患すると、「顔がまがった状態」、「眼が閉じにくい」、「口角が上がらない」、「水や食事が口から漏れる」などの症状が生じます。通常はステロイド薬の投与などにより治療しますが、1~3割のケースで不完全治癒となり、生活の質を低下させるため、精神的・社会的に問題が多い疾患です。
不完全治癒例となる高度麻痺においては、顔面神経の周りにある骨を削り、神経の圧迫を取り除く手術(顔面神経減荷術、以下減荷術)を行い神経の再生を促しますが、その効果は限定的であり、より効果的な治療法が求められてきました。
愛媛大学では、神経再生効果のあるbasic fibroblast growth factor (bFGF:商品名「フィブラスト(R)スプレー」)を減荷術に追加することを考案しました。しかし、bFGFは生体内での分解速度が早く、十分な治療効果が得られないことが課題でした。そこで治療効果を向上させるために、ゼラチンハイドロゲルにbFGFを含浸させ、局所で徐々に放出させる徐放技術を用いた臨床研究を行い、減荷術のみと比べて良好な成績を得ています。
本研究では、bFGF を含浸させるゼラチンハイドロゲルに「Genocel(R)」を採用し、発症1年後の治癒率を評価します。「Genocel(R)」は他のゼラチンハイドロゲルと比較しbFGF徐放性能に優れるため、治療効果の向上が期待できます。

<特定臨床研究の概要>


特定臨床研究実施計画番号: jRCTs061220098
研究名称:高度顔面神経麻痺に対するbFGF含浸ゼラチンハイドロゲルを用いた顔面神経減荷術の検討
研究代表医師:羽藤 直人
研究期間:2023年2月20日~2026年4月30日
対象者 :ベル麻痺、ハント症候群、外傷性顔面神経麻痺の高度麻痺患者
公開URL: https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs061220098
実施機関:愛媛大学医学部附属病院、松山赤十字病院、鷹の子病院、市立宇和島病院、愛媛県立新居浜病院

【会社概要】


社名:日本毛織株式会社(通称社名:ニッケ)
本社所在地:大阪市中央区瓦町3丁目3-10
HP:https://www.nikke.co.jp/
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