連載・コラム一覧
当事者が見た色覚特性のキラキラした世界
復帰で見えた新たな世界
高飛び込みの馬淵優佳さん
▼連載の趣旨
飛び込み競技の第一線で活躍する馬淵優佳さん。競技からの引退後、出産を経て復帰した。引退する前は「飛び込み競技が嫌だった」言う馬淵さんは、なぜ復帰したのだろうか。育児に時間をとられることがあっても、復帰後の「第二の競技人生」は大変充実している。心境が変化するに至ったきっかけを中心に、指導者である父との関係や最短のスポーツといわれる飛び込みの難しさなどを語ってもらった。
▼略歴
馬淵優佳(まぶち・ゆか)
飛び込み競技選手
1995年2月5日生まれ。立命館大学スポーツ健康科学部卒業。父親が飛び込み競技の指導者だったこともあり、幼い頃からこの競技に親しむ。2008年の日本選手権でシンクロの高飛び込みと3メートル板飛び込みで2冠に輝く。12年のインターハイ板飛び込みで3連覇を達成。11年には世界選手権にも出場した。17年に引退を発表。娘2人を出産後、21年に競技に復帰した。同年に開催された東京五輪では解説者を務めた。ミキハウス所属。
教えて!けいゆう先生
筆者プロフィル
医師・医学博士。2010年京都大学医学部卒業。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、感染症専門医、がん治療認定医、ICD(感染管理医師)など。Yahoo!ニュース個人オーサー。「外科医けいゆう」のペンネームで医療情報サイト「外科医の視点」を運営し、開設3年で1000万PV超。各地で一般向け講演なども精力的に行っている。著書に「医者が教える正しい病院のかかり方」(幻冬舎)、「すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険」(ダイヤモンド社)など多数。
病気や症状に関する情報をインターネットで調べる人がますます増えています。しかし、ネット上の医療情報は間違いだらけです。間違った情報を信じ、適切な治療を受けられず、病状を悪化させてしまう人はたくさんいます。
私はこれまで、間違った情報にだまされ、医学的根拠の乏しい治療に傾倒し、目の前から去って行った多くの患者さんたちを見てきました。私が日々の診療で痛感するのは、「診察室の中だけでは彼らを助けることはできない」ということです。さまざまなテレビ番組、書籍、そして何よりインターネット。患者さんたちは、病院の外で膨大な量の間違った医療情報に暴露されているからです。

時事メディカルは、医学的根拠に基づいた、正しく信頼性の高い情報を日々みなさんに提供しています。私は一介の医師の立場から、皆さんのお役に立てる情報を届けることで、その一翼を担いたいと考えています。(山本健人)

医師と患者の間には医学知識の格差があります。しかし、この格差は、患者が理解することが難しい専門的知識だけではありません。簡単な言葉で伝えれば、比較的容易に理解できる知識も多いのです。
特に高齢者はこの格差が大きい傾向にあり、「知らない」ためにせっかくの医療が十分に活用できないケースも見受けられます。高齢者が医療機関に通院・入院する際は、家族の協力も欠かせません。そこで、本書は高齢者の病気に対する考え方や、高齢者特有の問題にスポットを当てながら、高齢者とその家族のための知識を紹介しています。
医学部トップインタビュー
アルコール依存症の真実
当時者たちの声
▼連載の趣旨
医療・介護現場の取材を続ける中で、アルコール依存症の当事者(本人・家族)たちの話に戦慄(せんりつ)が走った。当事者たちの肉声は、それまでに筆者が抱いていた「アル中感」を一掃するには十分過ぎた。一方で、アルコール依存症に対する無知や誤解が、一般社会は言うに及ばず、医療や介護の専門職の間にすらあることを知った。当事者の声は「真実」の叫びだ。本連載では、そうした声を中心に、アルコール依存症をめぐる真実をさまざまな角度から考えていく。
▼略歴
佐賀由彦(さが・よしひこ)
フリーライター・映像クリエーター
1954年大分県別府市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。主に、医療・介護専門誌や単行本の編集・執筆、研修用映像の脚本・演出・プロデュースを行ってきた。全国の医療・介護の現場(施設・在宅)を回り、インタビューを重ねながら、当事者たちの喜びや苦悩を含めた医療や介護の生々しい現状とあるべき姿を文章や映像でつづり続けている。アルコール依存症当事者へのインタビューも数多い。
新米医師こーたの駆け出しクリニック
筆者プロフィル
渡邉 昂汰(わたなべ・こーた)
内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。
アカウントはこちら @kota_watanabe__
メディカルサロン
海原 純子(うみはら・じゅんこ)
東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。昭和女子大学・客員教授。日本医科大学・特任教授(2013~22年3月)。ハーバード大学・客員研究員(08~10年)。著書に「男はなぜこんなに苦しいのか」(朝日新書)、「こころの深呼吸-気持ちがすっと軽くなる」(婦人之友社)、「誰でもできる!アサーティブ・トレーニング ガイドブック―みんなが笑顔になるために」(金剛出版)、「『繊細すぎる人』のための心の相談箱(PHP)」など。日本ストレス学会理事・日本生活習慣病予防協会理事。20年間休止していた歌手活動を1999年より再開。
エビデンスに基づいた楽しく読める医療サイト
「皆さんは医療情報をどこで入手しますか?」。数年前に実施したアンケートでは、情報源の回答として、新聞やテレビ、インターネット、かかりつけ医、雑誌、病気にかかった知り合い-などが挙がりました。しかし、そこで得た情報が本当に正しいのか、それを正確に受け止めているか、というと疑問や不安を感じるものです。
2008年から10年まで、私はアメリカのハーバード大学公衆衛生大学院とダナ・フェーバー研究所が一緒に立ち上げたヘルスコミュニケーション研究室で客員研究員をしていました。この研究室は、インターネットやメディアを通じて医療情報を伝えることについて様々な視点から研究しているところでした。私はそこで、年代や所得の差にかかわらず、正確で根拠が明確な情報と新しい医学のアプローチを伝える素晴らしさを知りました。そして、いつか日本の医療情報伝達にも応用したいと考えてきました。
インターネット上で流布する医療情報は今、改めて正確さを問われています。「時事メディカル」の特徴はエビデンス(根拠)に基づいた医療情報という点です。特に「Dr.純子のメディカルサロン」のコンテンツはすべて、私をはじめとする医師のオリジナル原稿で構成されており、インタビュー取材も私自身が行っています。「一流のレジリエンス(回復力)」では、各界の著名人が自ら執筆してくださっています。
第三者を介さず、私たち医師ら情報の送り手と皆さんを直接結び付けて対話したい、心や身体に関する情報を楽しく読めようにお届けしたい、という願いを込めてこのサイトをご提供します。
医学博士 海原純子
眼科治療の最新事情
「新型コロナ流行」の本質~歴史地理の視点で読み解く~
医学的知識に人文科学を含めて
2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルスの流行は、瞬く間に世界中に拡大しました。約1年の間に感染者数6000万人、死亡者数140万人という大きな被害をもたらしています(2020年12月1日)。このように世界的な流行をおこした感染症の本質を理解するには、通常の医学的な知識だけでなく、歴史や地理など人文科学を含めた俯瞰(ふかん)的視点での検討が必要になります。今回の連載では、こうした視点から新型コロナの流行を解説していきます。
【濱田 篤郎(はまだ あつお)】
東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授。1981年東京慈恵会医科大学卒業後、米国Case Western Reserve大学留学。東京慈恵会医科大学で熱帯医学教室講師を経て、2004年に海外勤務健康管理センターの所長代理。10年7月より東京医科大学病院渡航者医療センター教授。21年4月より現職。渡航医学に精通し、海外渡航者の健康や感染症史に関する著書多数。新著は「パンデミックを生き抜く 中世ペストに学ぶ新型コロナ対策」(朝日新聞出版)。
歯学部トップインタビュー
AIと医療が出会うとき
連載趣旨と略歴
近年の機械学習、特に深層学習技術の高度発展に伴い、あらゆる領域における人工知能(AI)技術の適用と深化が進むが、これは医療分野も例外ではない。医療におけるAI(医療AI)は、現代麻酔法の確立や抗生物質の発見、ヒトゲノムの配列決定といった医学史上の転換点に並ぶ巨大なブレークスルーを引き起こす可能性がある。現在、予防・診断・治療・予後予測など医療のあらゆるフェーズにおいて、臨床的有効性の期待されるAIドリブンな新技術が日々提唱されている。著者がベースとする米国での事例を中心に、日常診療を激変し得る医療AIトピックについて、その潜在的有効性のほか、社会実装に伴うリスクや問題点にまで言及する。AIと医療が出会った今、そして、このことが変える未来を知っていただきたい。
【岡本 将輝(おかもと まさき)】
米ハーバード大学医学部放射線医学専任講師、マサチューセッツ総合病院3D Imaging Research研究員、The Medical AI Times編集長など。2011年信州大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科専門職学位課程および博士課程修了、英University College London(UCL)科学修士課程修了。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)、東京大学特任研究員を経て現職。他にTOKYO analytica CEO、SBI大学院大学客員教授(データサイエンス・統計学)など。メディカルデータサイエンスに基づく先端医科学技術の研究開発、社会実装に取り組む。
医学生のフィールド
新専門医制度について考える
患者の医師選びはどう変わる ~新しい専門医制度によるメリットを探る~
現在の日本の医療制度では、医師免許を取得し2年間の臨床研修を受ければ、専門や経験がなくても開業し法令上に認められた全ての診療科を自由に標榜することができる「自由標榜制」が採られている。例えば、専門分野を学んでいない医師が内科で開業し、ある日突然、外科や眼科の診療を行うことも可能なのである。このような制度が認められているのは先進国では日本だけだ。専門医を認定するための社会的な制度も無かった。
現代医学は日進月歩で発展を続け、誰でもインターネットで最新の医療情報を入手できるようになった。より質の高い医療を受けたいというニーズも高まってきている。自分の体を安心して任せられる専門医に出会うためには、医療のエキスパートとは何かを知っておくことも大切だ。専門医制度の成立の経緯に触れながら整理してみた。