連載・コラム一覧
メディカルサロン
海原 純子(うみはら・じゅんこ)
東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。昭和女子大学・客員教授。日本医科大学・特任教授(2013~22年3月)。ハーバード大学・客員研究員(08~10年)。著書に「男はなぜこんなに苦しいのか」(朝日新書)、「こころの深呼吸-気持ちがすっと軽くなる」(婦人之友社)、「誰でもできる!アサーティブ・トレーニング ガイドブック―みんなが笑顔になるために」(金剛出版)、「『繊細すぎる人』のための心の相談箱(PHP)」など。日本ストレス学会理事・日本生活習慣病予防協会理事。20年間休止していた歌手活動を1999年より再開。
エビデンスに基づいた楽しく読める医療サイト
「皆さんは医療情報をどこで入手しますか?」。数年前に実施したアンケートでは、情報源の回答として、新聞やテレビ、インターネット、かかりつけ医、雑誌、病気にかかった知り合い-などが挙がりました。しかし、そこで得た情報が本当に正しいのか、それを正確に受け止めているか、というと疑問や不安を感じるものです。
2008年から10年まで、私はアメリカのハーバード大学公衆衛生大学院とダナ・フェーバー研究所が一緒に立ち上げたヘルスコミュニケーション研究室で客員研究員をしていました。この研究室は、インターネットやメディアを通じて医療情報を伝えることについて様々な視点から研究しているところでした。私はそこで、年代や所得の差にかかわらず、正確で根拠が明確な情報と新しい医学のアプローチを伝える素晴らしさを知りました。そして、いつか日本の医療情報伝達にも応用したいと考えてきました。
インターネット上で流布する医療情報は今、改めて正確さを問われています。「時事メディカル」の特徴はエビデンス(根拠)に基づいた医療情報という点です。特に「Dr.純子のメディカルサロン」のコンテンツはすべて、私をはじめとする医師のオリジナル原稿で構成されており、インタビュー取材も私自身が行っています。「一流のレジリエンス(回復力)」では、各界の著名人が自ら執筆してくださっています。
第三者を介さず、私たち医師ら情報の送り手と皆さんを直接結び付けて対話したい、心や身体に関する情報を楽しく読めようにお届けしたい、という願いを込めてこのサイトをご提供します。
医学博士 海原純子
新米医師こーたの駆け出しクリニック
筆者プロフィル
渡邉 昂汰(わたなべ・こーた)
内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。
アカウントはこちら @kota_watanabe__
「新型コロナ流行」の本質~歴史地理の視点で読み解く~
医学的知識に人文科学を含めて
2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルスの流行は、瞬く間に世界中に拡大しました。約1年の間に感染者数6000万人、死亡者数140万人という大きな被害をもたらしています(2020年12月1日)。このように世界的な流行をおこした感染症の本質を理解するには、通常の医学的な知識だけでなく、歴史や地理など人文科学を含めた俯瞰(ふかん)的視点での検討が必要になります。今回の連載では、こうした視点から新型コロナの流行を解説していきます。
【濱田 篤郎(はまだ あつお)】
東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授。1981年東京慈恵会医科大学卒業後、米国Case Western Reserve大学留学。東京慈恵会医科大学で熱帯医学教室講師を経て、2004年に海外勤務健康管理センターの所長代理。10年7月より東京医科大学病院渡航者医療センター教授。21年4月より現職。渡航医学に精通し、海外渡航者の健康や感染症史に関する著書多数。新著は「パンデミックを生き抜く 中世ペストに学ぶ新型コロナ対策」(朝日新聞出版)。
行動する法医学者の記録簿
歯学部トップインタビュー
介護の「今」
タンパク質にまつわる栄養の話
タンパク質のことを知ろう
▼連載の趣旨
近年、食や栄養への興味は多方面から高まり、私たちの周りには数多くの情報があふれています。腸活、糖質制限、グルテンフリーなど、次から次へと話題に上ります。私が注目しているのは「タンパク質」の動向です。コンビニやスーパーでタンパク質が強化された商品が目につくようになった一方で、将来的なタンパク質源不足に大豆の活用が考案され、商品化までされています。そこで、タンパク質とは何か、私たちにタンパク質は必要なのか、タンパク質を何からどれだけ食べればいいのか―。こんなことを改めて考えるきっかけになればと思い、連載をスタートさせていただきます。
▼著者略歴
今村佳代子(いまむら・かよこ)
管理栄養士・公認スポーツ栄養士。鹿児島純心女子大学・看護栄養学部健康栄養学科准教授。日本女子大学家政学部食物学科卒業。病院勤務を経て同大学大学院修士課程修了。現在は大学で管理栄養士養成に従事する傍ら、高校生・大学生アスリートへ栄養サポートを実施する。Webサイト「アスレシピ(日刊スポーツ新聞社)」に『KAGOSHIMA×食』グループでコラム・レシピを執筆。
めまい・耳鳴り
適切対策で負担軽減
▽連載の趣旨
めまいや耳鳴りは「不定愁訴」として扱われ、十分な治療を受けることもなく「生活の質」(QOL)に支障が生じることが多い。正確な知識を持ち、日常生活での適切な対策や治療を続ければ、生活の負担も軽減できる。耳鼻科専門医の筆者が、発症メカニズムや治療法、食事の改善点や生活の中でできるリハビリ法などを紹介する。
▽筆者略歴
坂田英明(さかた・ひであき)
川越耳科学クリニック院長、埼玉医科大客員教授。元目白大学教授。
日本耳鼻咽喉学会専門医、日本聴覚医学会代議員。日本小児耳鼻咽喉学会評議員。
1988年埼玉医科大卒、91年帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手、2005年目白大教授、15年より現職。小児難聴や耳鳴りなどの治療に積極的に取り組み、著書多数。近著に「フワフワするめまいは食事でよくなる」(マキノ出版)。
医学生のフィールド
AIと医療が出会うとき
連載趣旨と略歴
近年の機械学習、特に深層学習技術の高度発展に伴い、あらゆる領域における人工知能(AI)技術の適用と深化が進むが、これは医療分野も例外ではない。医療におけるAI(医療AI)は、現代麻酔法の確立や抗生物質の発見、ヒトゲノムの配列決定といった医学史上の転換点に並ぶ巨大なブレークスルーを引き起こす可能性がある。現在、予防・診断・治療・予後予測など医療のあらゆるフェーズにおいて、臨床的有効性の期待されるAIドリブンな新技術が日々提唱されている。著者がベースとする米国での事例を中心に、日常診療を激変し得る医療AIトピックについて、その潜在的有効性のほか、社会実装に伴うリスクや問題点にまで言及する。AIと医療が出会った今、そして、このことが変える未来を知っていただきたい。
【岡本 将輝(おかもと まさき)】
米ハーバード大学医学部放射線医学専任講師、マサチューセッツ総合病院3D Imaging Research研究員、The Medical AI Times編集長など。2011年信州大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科専門職学位課程および博士課程修了、英University College London(UCL)科学修士課程修了。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)、東京大学特任研究員を経て現職。他にTOKYO analytica CEO、SBI大学院大学客員教授(データサイエンス・統計学)など。メディカルデータサイエンスに基づく先端医科学技術の研究開発、社会実装に取り組む。
教えて!けいゆう先生
筆者プロフィル
医師・医学博士。2010年京都大学医学部卒業。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、感染症専門医、がん治療認定医など。「外科医けいゆう」のペンネームで医療情報サイト「外科医の視点」を運営し、開設3年で1000万PV超。各地で一般向け講演なども精力的に行っている。著書に「医者が教える正しい病院のかかり方」(幻冬舎)、「すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険」(ダイヤモンド社)など多数。
病気や症状に関する情報をインターネットで調べる人がますます増えています。しかし、ネット上の医療情報は間違いだらけです。間違った情報を信じ、適切な治療を受けられず、病状を悪化させてしまう人はたくさんいます。
私はこれまで、間違った情報にだまされ、医学的根拠の乏しい治療に傾倒し、目の前から去って行った多くの患者さんたちを見てきました。私が日々の診療で痛感するのは、「診察室の中だけでは彼らを助けることはできない」ということです。さまざまなテレビ番組、書籍、そして何よりインターネット。患者さんたちは、病院の外で膨大な量の間違った医療情報に暴露されているからです。

時事メディカルは、医学的根拠に基づいた、正しく信頼性の高い情報を日々みなさんに提供しています。私は一介の医師の立場から、皆さんのお役に立てる情報を届けることで、その一翼を担いたいと考えています。(山本健人)

医師と患者の間には医学知識の格差があります。しかし、この格差は、患者が理解することが難しい専門的知識だけではありません。簡単な言葉で伝えれば、比較的容易に理解できる知識も多いのです。
特に高齢者はこの格差が大きい傾向にあり、「知らない」ためにせっかくの医療が十分に活用できないケースも見受けられます。高齢者が医療機関に通院・入院する際は、家族の協力も欠かせません。そこで、本書は高齢者の病気に対する考え方や、高齢者特有の問題にスポットを当てながら、高齢者とその家族のための知識を紹介しています。
医学部トップインタビュー
新専門医制度について考える
患者の医師選びはどう変わる ~新しい専門医制度によるメリットを探る~
現在の日本の医療制度では、医師免許を取得し2年間の臨床研修を受ければ、専門や経験がなくても開業し法令上に認められた全ての診療科を自由に標榜することができる「自由標榜制」が採られている。例えば、専門分野を学んでいない医師が内科で開業し、ある日突然、外科や眼科の診療を行うことも可能なのである。このような制度が認められているのは先進国では日本だけだ。専門医を認定するための社会的な制度も無かった。
現代医学は日進月歩で発展を続け、誰でもインターネットで最新の医療情報を入手できるようになった。より質の高い医療を受けたいというニーズも高まってきている。自分の体を安心して任せられる専門医に出会うためには、医療のエキスパートとは何かを知っておくことも大切だ。専門医制度の成立の経緯に触れながら整理してみた。