連載・コラム一覧
AIと医療が出合うとき
連載趣旨と略歴
近年の機械学習、特に深層学習技術の高度発展に伴い、あらゆる領域における人工知能(AI)技術の適用と深化が進むが、これは医療分野も例外ではない。医療におけるAI(医療AI)は、現代麻酔法の確立や抗生物質の発見、ヒトゲノムの配列決定といった医学史上の転換点に並ぶ巨大なブレークスルーを引き起こす可能性がある。現在、予防・診断・治療・予後予測など医療のあらゆるフェーズにおいて、臨床的有効性の期待されるAIドリブンな新技術が日々提唱されている。著者がベースとする米国での事例を中心に、日常診療を激変し得る医療AIトピックについて、その潜在的有効性のほか、社会実装に伴うリスクや問題点にまで言及する。AIと医療が出会った今、そして、このことが変える未来を知っていただきたい。
【岡本 将輝(おかもと まさき)】
米ハーバード大学医学部放射線医学専任講師、マサチューセッツ総合病院3D Imaging Research研究員、The Medical AI Times編集長など。2011年信州大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科専門職学位課程および博士課程修了、英University College London(UCL)科学修士課程修了。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)、東京大学特任研究員を経て現職。他にTOKYO analytica CEO、SBI大学院大学客員教授(データサイエンス・統計学)など。メディカルデータサイエンスに基づく先端医科学技術の研究開発、社会実装に取り組む。
めまい・耳鳴り
適切対策で負担軽減
▽連載の趣旨
めまいや耳鳴りは「不定愁訴」として扱われ、十分な治療を受けることもなく「生活の質」(QOL)に支障が生じることが多い。正確な知識を持ち、日常生活での適切な対策や治療を続ければ、生活の負担も軽減できる。耳鼻科専門医の筆者が、発症メカニズムや治療法、食事の改善点や生活の中でできるリハビリ法などを紹介する。
▽筆者略歴
坂田英明(さかた・ひであき)
川越耳科学クリニック院長、埼玉医科大客員教授。元目白大学教授。
日本耳鼻咽喉学会専門医、日本聴覚医学会代議員。日本小児耳鼻咽喉学会評議員。
1988年埼玉医科大卒、91年帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手、2005年目白大教授、15年より現職。小児難聴や耳鳴りなどの治療に積極的に取り組み、著書多数。近著に「フワフワするめまいは食事でよくなる」(マキノ出版)。
タンパク質にまつわる栄養の話
タンパク質のことを知ろう
▼連載の趣旨
近年、食や栄養への興味は多方面から高まり、私たちの周りには数多くの情報があふれています。腸活、糖質制限、グルテンフリーなど、次から次へと話題に上ります。私が注目しているのは「タンパク質」の動向です。コンビニやスーパーでタンパク質が強化された商品が目につくようになった一方で、将来的なタンパク質源不足に大豆の活用が考案され、商品化までされています。そこで、タンパク質とは何か、私たちにタンパク質は必要なのか、タンパク質を何からどれだけ食べればいいのか―。こんなことを改めて考えるきっかけになればと思い、連載をスタートさせていただきます。
▼著者略歴
今村佳代子(いまむら・かよこ)
管理栄養士・公認スポーツ栄養士。鹿児島純心女子大学・看護栄養学部健康栄養学科准教授。日本女子大学家政学部食物学科卒業。病院勤務を経て同大学大学院修士課程修了。現在は大学で管理栄養士養成に従事する傍ら、高校生・大学生アスリートへ栄養サポートを実施する。Webサイト「アスレシピ(日刊スポーツ新聞社)」に『KAGOSHIMA×食』グループでコラム・レシピを執筆。
アスリートの田中理恵は永遠に消えない ~競技者として女性として母として生きる~
当事者が見た色覚特性のキラキラした世界
アルコール依存症の真実
当時者たちの声
▼連載の趣旨
医療・介護現場の取材を続ける中で、アルコール依存症の当事者(本人・家族)たちの話に戦慄(せんりつ)が走った。当事者たちの肉声は、それまでに筆者が抱いていた「アル中感」を一掃するには十分過ぎた。一方で、アルコール依存症に対する無知や誤解が、一般社会は言うに及ばず、医療や介護の専門職の間にすらあることを知った。当事者の声は「真実」の叫びだ。本連載では、そうした声を中心に、アルコール依存症をめぐる真実をさまざまな角度から考えていく。
▼略歴
佐賀由彦(さが・よしひこ)
フリーライター・映像クリエーター
1954年大分県別府市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。主に、医療・介護専門誌や単行本の編集・執筆、研修用映像の脚本・演出・プロデュースを行ってきた。全国の医療・介護の現場(施設・在宅)を回り、インタビューを重ねながら、当事者たちの喜びや苦悩を含めた医療や介護の生々しい現状とあるべき姿を文章や映像でつづり続けている。アルコール依存症当事者へのインタビューも数多い。
眼科治療の最新事情
復帰で見えた新たな世界
高飛び込みの馬淵優佳さん
▼連載の趣旨
飛び込み競技の第一線で活躍する馬淵優佳さん。競技からの引退後、出産を経て復帰した。引退する前は「飛び込み競技が嫌だった」言う馬淵さんは、なぜ復帰したのだろうか。育児に時間をとられることがあっても、復帰後の「第二の競技人生」は大変充実している。心境が変化するに至ったきっかけを中心に、指導者である父との関係や最短のスポーツといわれる飛び込みの難しさなどを語ってもらった。
▼略歴
馬淵優佳(まぶち・ゆか)
飛び込み競技選手
1995年2月5日生まれ。立命館大学スポーツ健康科学部卒業。父親が飛び込み競技の指導者だったこともあり、幼い頃からこの競技に親しむ。2008年の日本選手権でシンクロの高飛び込みと3メートル板飛び込みで2冠に輝く。12年のインターハイ板飛び込みで3連覇を達成。11年には世界選手権にも出場した。17年に引退を発表。娘2人を出産後、21年に競技に復帰した。同年に開催された東京五輪では解説者を務めた。ミキハウス所属。
日本女子初の五輪メダリスト
Female Athlete Conference 2022 ~女子選手のヘルスケアを考える~
宮嶋泰子、女性アスリートを大いに語る
新専門医制度について考える
患者の医師選びはどう変わる ~新しい専門医制度によるメリットを探る~
現在の日本の医療制度では、医師免許を取得し2年間の臨床研修を受ければ、専門や経験がなくても開業し法令上に認められた全ての診療科を自由に標榜することができる「自由標榜制」が採られている。例えば、専門分野を学んでいない医師が内科で開業し、ある日突然、外科や眼科の診療を行うことも可能なのである。このような制度が認められているのは先進国では日本だけだ。専門医を認定するための社会的な制度も無かった。
現代医学は日進月歩で発展を続け、誰でもインターネットで最新の医療情報を入手できるようになった。より質の高い医療を受けたいというニーズも高まってきている。自分の体を安心して任せられる専門医に出会うためには、医療のエキスパートとは何かを知っておくことも大切だ。専門医制度の成立の経緯に触れながら整理してみた。
「たかが卓球、されど卓球」、メダルへの方程式
更なる飛躍へエリートアカデミー開校
問題意識のない現場~医師の立場から
二つの銀メダル
地域医療連携の今
地域医療連携の今
新型コロナウイルス感染症により、日本の医療現場が抱えるさまざまな課題が浮き彫りになった。その一つが、地域の医療機関が役割分担しながら適切な診療を患者に提供するための地域医療連携だ。コロナの重症化リスクがあるとされた糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、自覚症状が表れにくいことから放置されることも多く、病態が進行して合併症を起こしたり、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などを発症したりすることも少なくない。かかりつけ医と病院などが連携して早期発見・早期治療を進めることにより、膨らみ続ける医療費の削減につながることも期待されている。
コロナ下で生活習慣病への関心が高まる中、全国屈指の高い水準となる高齢者医療費の削減に向けて地域医療連携に取り組む福岡県から、糖尿病や脳卒中、がんなどにおける医療連携の現状を紹介する。
金メダリストの自己管理術
乳がんを書く
連載趣旨と略歴
◇体験して初めて分かる、治療のつらさ
乳がんに関する情報はあふれている。しかも、私はその道の第一人者への取材活動を通じて、基本的な知識は持っているつもりだった。そんな恵まれた情報環境にありながら、いざ自分が乳がんになったとき、「こんなはずじゃなかった」という場面に何度となく直面した。特に生命が救われることに焦点が集まる一方で、あまり触れられてこなかった術後の痛みや、治療に伴う副作用は、経験してみなければ全く分からなかった。医療の進歩により、多くのがんが不治の病ではなくなり、なかでも乳がんは予後の良いがんと言われる。早期発見なら怖くない、しかし、そんなに簡単なものではなかった。
【中山 あゆみ】
ジャーナリスト。明治大学卒業後、医療関係の新聞社で、医療行政、地域医療等の取材に携わったのち、フリーに。新聞、雑誌、Webに医学、医療、健康問題に関する解説記事やルポルタージュ、人物インタビューなど幅広い内容の記事を執筆している。
時事メディカルに連載した「一流に学ぶ」シリーズのうち、『難手術に挑む「匠の手」―上山博康氏(第4回・5回)』が、平成30年度獨協大学医学部入学試験の小論文試験問題に採用される。著書に『病院で死なないという選択』(集英社新書)などがある。
医学ジャーナリスト協会会員。
抗がん剤による脱毛を防ぐ「頭皮冷却療法」
連載趣旨と略歴
抗がん剤治療による脱毛を防ぐ方法があることをご存じだろうか?2019年3月に厚生労働省が薬事承認した後、2021年版の「がん治療におけるアピアランスケアガイドライン」でも推奨され、科学的根拠のある治療法として注目されている。
患者のほとんどが女性であることなどから、乳腺外科が先鞭(せんべん)をつけた。現在、保険外診療として全国約50カ所で導入されているが、今後は診療科を超えて普及していくことが期待される。
まだ始まったばかりの新しい治療だけに、ひと筋縄ではいかない問題もたくさんある。しかし、さらに技術が向上していけば、抗がん剤治療を受けても脱毛しないという選択肢が当たり前のように提示される時代が必ず来る。試行錯誤を重ねて、ようやく軌道に乗ってきたという虎の門病院化学療法室で、現場の声を聞いた。
【中山 あゆみ】
ジャーナリスト。明治大学卒業後、医療関係の新聞社で、医療行政、地域医療等の取材に携わったのち、フリーに。新聞、雑誌、Webに医学、医療、健康問題に関する解説記事やルポルタージュ、人物インタビューなど幅広い内容の記事を執筆している。
時事メディカルに連載した「一流に学ぶ」シリーズのうち、『難手術に挑む「匠の手」―上山博康氏(第4回・5回)』が、平成30年度獨協大学医学部入学試験の小論文試験問題に採用される。著書に『病院で死なないという選択』(集英社新書)などがある。医学ジャーナリスト協会会員。
アレルギー性鼻炎の治療最前線
あなたはもっと元気になれる
筆者プロフィル

慶應義塾大学医学部卒業、医師として東京慈恵会医科大学病院リハビリテーション科勤務を経て、クリニックでの診療と産業医業務を行う。勤務医時代に、エッセーや論文のコンテストでの受賞などをきっかけに執筆活動も開始し、健康に関するテーマで著書や監修書は多数。日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本人間ドック学会人間ドック健診専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本体力医学会健康科学アドバイザー。
人間の心身は不思議なもの。生活のちょっとした変化や工夫で元気になったり、美しくなったり、病気になったり、治ったりします。同じ人生なら、日々を気持ちよく過ごしたいと願うでしょう。私が医学界で学んだこと、経験したこと、診察室で感じたこと、街中で気づいたこと、皆さまに役立ちそうな、あれこれをお伝えできれば幸いです。
競泳選手としてジュニア時代は全国大会で優勝経験あり。大学時代に出した東日本医科学生選手権大会の大会記録は18年間破られませんでした。数年前からまた水泳を再開しマスターズ大会に出場しています。水泳で教わった心身の調子を上げるコツ、勝負で勝つコツなども、ときには書いていきたいと思います。