「医」の最前線
連載趣旨
2011年の東日本大震災では、死者・行方不明者1万8000人以上という甚大な人的被害を出した。日本法医学会は発生直後に対策本部を設置し、初めて組織的に被災地に医師を派遣。災害時の死体検案業務を行った。派遣は発生翌日の3月12日から7月6日まで、東北3県を対象に実施された。
長崎大学医学部長の池松和哉教授(法医学)は、九州地区のまとめ役として、福島、宮城両県の検案所で従事。過酷な体験を基に、想定される次の大規模災害に備えて身元特定が迅速に行えるシステムや体制づくりの必要性を指摘している。インタビューでの発言をまとめた。