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座ったままの時間を「ちょい活」に置き換えて要介護化を防ごう

福岡工業大学
高齢者の座位行動と要介護化リスクとの関連 座ったまま ⇒ 中高強度身体活動への置き換えでリスク減

 福岡工業大学は、篠栗町と共同で取り組む高齢者対象の「篠栗元気もん調査」(研究代表者:楢崎兼司教授)で得られたデータから、座位行動(座りがちな生活行動)と要介護化リスクとの関係を調べました。現代人は1日の覚醒時間の多くを座って過ごしていますが、長時間座ったままでいることは筋肉の代謝や血行を低下させ、健康に害を及ぼすと危惧されており、WHOの最新ガイドラインでも「座ったままの時間を減らして何かしらの身体活動に置き換えること」を推奨しています。この研究では2011年~2020年の9年間、篠栗町の健康な高齢者2,629人を追跡調査し、1日あたりの座位行動時間の長さが、将来の要介護化リスクと本当に関連するのかを調べました。また、リスクを低減するために置き換えるべき身体活動が、どの程度の強度であるべきかについても調査しました。






 研究では2011年に篠栗町の高齢者に3軸加速度計内蔵の活動量計を装着してもらい、1週間の身体活動や座位行動を計測。その後9年間に渡って対象者を追跡して、介護保険制度における要介護・要支援認定の有無などを調査しました。これらのデータを用いて、1日あたりの座位行動時間と将来の要介護化リスクとの関連を解析したところ、統計的に有意な関連が認められました。しかし、1日あたりの中高強度身体活動時間を調整因子として解析に加えると、関連は有意ではなくなり、この関連が1日あたりの座位行動時間の長さだけではなく、中高強度身体活動時間の長さにも影響を受けることが分かりました。また、本研究では座位行動を身体活動に置き換えた場合に、要介護化リスクを低減する効果が認められるかどうかを解析しました。その結果、1日あたりの座位行動時間を10分間、同じ時間の中高強度身体活動(例えばジョギングや階段上り)に置き換えると、要介護化リスクが約12%低減できる可能性があることが分かりました。(軽強度身体活動との置き換えではこの結果は得られず、置き換えるべき身体活動は中強度以上であるべきことも分かりました。)
中強度身体活動は10分未満の蓄積でも効果あり!「ちょい活」のすすめ





  研究グループは今回得られた結果が、福工大と篠栗町が近年住民に推奨している「ちょい活」による要介護化予防効果を示す一つのエビデンスであると考えています。ちょい活とは息が軽く弾むかそれ以上の強度の身体活動(=中高強度身体活動)を、1日の「すきま時間」を使ってちょこちょこ行うことを指します。福岡工業大学と篠栗町は、高齢者の主体的な介護予防の啓発を目的に今年度実施している共同事業「ささぐり元気もん活動」においても、このエビデンスを有効活用しながら、町における「ちょい活」の普及・促進を積極的に進めています。

「ちょい活」のすすめ!など健康情報を発信。篠栗元気もん情報2023



 福岡工業大学と篠栗町では、2011年から篠栗町の高齢者の方々2,629人を対象に、健康状態や生活習慣と要介護認定などのヘルスアウトカムとの関連を追跡する「篠栗元気もん調査」を行っています。今年度は「ささぐり元気もん活動」の一環として、この調査から得られた健康づくりに関するより良い知見を高齢者の皆様に向けて発信する、「篠栗元気もん情報2023」にも取り組んでいます。こうした活動を通して、「ちょい活」のさらなる普及にも取り組んでいきたいと考えています。
篠栗元気もん情報2023 WEBサイト
https://www.town.sasaguri.fukuoka.jp/soshiki/fukushi/3/genkimonzyoho2023/4795.html

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