【社員の奮闘】バスコスメ・リップアーマーを生んだ「キス」が誕生以来の大規模リニューアルに踏み切った理由とお披露目までの裏側

株式会社伊勢半が展開するメイクアップブランド「キス」は2001年に誕生。これまで「可愛いより、キレイがほしい。」というコンセプトのもとブランドを展開し、メイク需要が落ち込んだコロナ禍であっても “ツヤ×うるおい×落ちにくい”仕上がりが両立されたリップとしてバズコスメとなった「リップアーマー」などヒット商品を送り出してきました。

市場での存在感がさらに増しつつある2023年秋、ブランド誕生から最も大規模なリニューアルに踏み切りました。その理由と、お披露目までの奮闘の裏側を開発担当の齋藤千佳とPR担当の小河澪奈に聞きました。


2023年9月にリニューアルした「KiSS」


いまの価値観に寄り添った世界観へとリニューアルが必要なタイミング


「キス」は、これまでもその時々のニーズやトレンドに合わせて変化を続け、2018年からは「可愛いより、キレイが欲しい 働く女性の最上キレイを叶えるブランド」をコンセプトに展開してきました。

前回のコンセプト策定から5年ほど経つ間、新型コロナウイルスの流行など、人々のライフスタイルやマインドを大きく変える出来事もありました。そのなかでユーザーの価値観やメイクトレンドも変化しており、いまの価値観に寄り添った世界観のブランドへとリニューアルが必要なタイミングだと感じました。


経済産業省の生産動態統計年報によると、コロナ禍に突入した2020年におけるメイクアップ化粧品(仕上げ用化粧品)の販売個数は前年比72%に減少。なかでも、マスクで隠れてしまうため利用者が減った口紅は前年比50%まで減少するなどメイク需要の低迷がみられました。

しかし、そんな状況下であっても「キス」はマスクメイクのトレンドをキャッチした新商品「リップアーマー」などを世に送り出し、バズコスメとして大きな反響を受けました。こうしたヒット商品の誕生により注目が高まっているタイミングで、リニューアルを図ることで、ユーザーから求められるブランドへと更なる育成を図ろうと考えました。


2022年に発売しバズコスメとして注目された「キス リップアーマー」


新たな「キス(新ブランド表記:KiSS)」は、毎日私を大切に慈しむ時間を作って“きょうの私を最高に好きになれるように”ご自愛できるブランドとして「私は、私に、kissをする」をコンセプトに生まれ変わりました。

タイパや時短などメイクにも効率の良さを求められる昨今、メイクタイムを「自分をいつくしむ時間」と捉え、メイクの過程も楽しみながら五感で感じる心地よさや情緒的な雰囲気を大切にしたいといった思いを商品にも込めました。


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それぞれの専門性を交えて多角的に新「KiSS」の理想形を考えた


ブランド名はそのままにロゴやコンセプト、商品に至るまでブランド誕生以来もっとも大規模なリニューアルとなった今回のプロジェクト。2021年秋に始まり2023年8月にお披露目の時を迎えるまで2年もの月日をかけて進められました。

プロジェクトチームについても開発部門のメンバーだけにとどまらず、部門を横断してZ世代をはじめとする若手社員も交え、広く意見交換が行われました。

部門横断プロジェクトとすることで、営業部門であれば売場環境、PR部門であればSNSトレンドなど、各部門の専門的な視点を取り入れることができ、より多角的に新たなブランドの理想形を考えることができたと振り返ります。


齋藤:普段は実現可能な企画か、市場調査で得た情報をもとに企画・デザインを固めていきます。しかし今回は、営業部門であれば店頭での見え方についてアドバイスをもらったり、PR部門からはSNSで発信することを想定してアイデアを出してもらったりもしました。多くの意見を取り入れることで企画の軸がぶれてしまう懸念もありますが、意見を聞いたうえで新しい「KiSS」に取り入れるべきものか、信念をもって取捨選択していくことで、視野を広げて開発に取り組めました。


開発担当の齋藤千佳


多様な価値観に共通するインサイトを見つけ出し言語化する大変さ


プロジェクトの進行は現状の把握からスタートしました。旧ブランドコンセプト・デザインのトンマナと、今後目指していきたいターゲットの価値観・ニーズを比較し、ズレが生じている部分を洗い出しました。そして、ズレを埋めるために必要なことについて、各部門のメンバーと意見交換をしながら新しいブランドコンセプトや世界観を描いていきました。なかでも苦労したのは、ユーザーに共通する核となるインサイトを導き出し、言語化していく過程だったと振り返ります。


齋藤:お客様となり得るターゲット世代とひと口に言っても、現在では好みも多様化しています。ブランドの世界観を維持しながらも、多様な嗜好性を持つターゲットに受け入れられるものは何なのか?何度も検討を重ねて納得のいくまでやり直しました。最終的には「ご自愛感」といったキーワードや「私は、私に、kissをする。」というブランドメッセージに到達しました。


このブランド名だからできたプロモーション「もし、この世界から『キス』がなくなったらあなたはどうする?」


コンセプト・商品の次にポイントとなるのがプロモーションです。今回は屋外動画広告とお披露目イベントを柱として進められることになりました。

屋外動画広告はリニューアル発表前の1週間、渋谷のハチ公広場前の屋外ビジョンで放映。「もし、この世界から『キス』がなくなったらあなたはどうする?」という謎のメッセージが映し出された真っ赤な画面が街ゆく人の注目を引きました。


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このような変化球のコミュニケーションに取り組んだ理由について尋ねると、「キス」というブランド名だからこそ可能な興味喚起の方法だったと言います。


PR担当の小河澪奈


小河:単に新しくなる事実だけを発表しても話題化は難しいと考え、リニューアル自体をコミュニケーション素材にしようと考えるなかで「キス」というブランド名はとても助けになりました。「もし、この世界から『キス』がなくなったらあなたはどうする?」という問いかけから始まる動画広告は、ブランドを知っている人はもちろん、知らない人にも口づけとしてのキスを連想してもらうことで興味を引き、ブランドの存在やリニューアルについて知ってもらうことを狙いました。


ゼロから生み出すゆえの苦労、こだわり抜いてカタチに


リニューアルに際してはプロモーションの全体像からそれぞれの細かい内容に至るまでゼロベースで生み出さなくてはならず、まだ誰も新「KiSS」について知らないからこそ自由で、それゆえの生みの苦しみがあったといいます。なかでもリニューアル詳細が初公開されたお披露目イベントは、苦労しながらも強いこだわりを持って企画したと話しました。


小河:この数年でオンライン開催も増えましたが、参加者の反応が十分に見えないことなどが難点に感じ、今回はリアル開催にこだわりました。また、イベントには日頃からキスに関心の高いインフルエンサーの方々にもお越しいただくことになり、会場の装飾などで新たなブランドの世界観をしっかり表現し、写真を撮ってSNSで発信したくなるような画作りもかなり意識しました。


会場では商品をイメージしたドリンクやデザートを提供

SNSでの発信を意識した会場づくりも


そんな苦労やこだわりが実を結び、ついに8月7日お披露目の日を迎えました。イベントでは、メイクアップアーティストのKUBOKI氏による新「KiSS」のアイテムを使ったメイクデモンストレーションが行われ、参加者の興味津々の様子からもリニューアルした「KiSS」への注目度合いを感じることができました。

齋藤・小河は、ドラッグストア等で販売しているセルフ化粧品の場合、対面接客をするデパコスなどとは違い、メーカーの人間が直接ユーザーに商品説明をしたり商品を初めて目にした反応をその場で聞いたりする機会がなく、来場者と直接コミュニケーションを取れたことが良かったと振り返りました。


まだまだ語り尽くせないこだわりが詰まった「KiSS」が目指す場所



ブランドの世界観だけでなく、一つひとつの商品にも並々ならぬこだわりを詰め込んだ新生「KiSS」については、まだまだ語りつくせません。

昨今、自分を大切にする「ご自愛」にも関心が寄せられるなかで、「毎日私を大切に慈しむ時間を作って“きょうの私を最高に好きになれるように”ご自愛できるブランド」を掲げた「KiSS」の今後の展望や意気込みを最後に二人へ聞きました。


齋藤:今回のリニューアルを機にZ世代など感度の高いユーザーから注目を集められるブランドに育成していきたいと思います。化粧品を選ぶとき、似合う・似合わないで躊躇する前に「好きだな」というトキメキ衝動みたいなものも大切にしてほしいと思います。心のままに選んで使っても失敗しない機能性や心地よさを実現させ、今日も自分最高!と気分を上げてもらえるような商品をこれからも送り出していきたいです。


小河:リニューアル発表後のSNSの反応を見てみるとポジティブなものが多く、ブランド公式SNSのフォロワー数・エンゲージメント率なども向上したほか、ユーザーによるKiSS商品の自主投稿(UGC)も増加するなど、認知・関心の高まりがうかがえます。こうした反応などからも、ここ数年でブランド力がついてきた感じがしています。PR担当としてはさらに認知度を上げて、誰もが知っているブランドに育てていきたいと思います。




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