ひとりでも多くの人に、オーラルケアの大切さを手軽に体感してほしい。「歯の王様をまもるゲーム」開発ストーリー

⚫️「歯の王様をまもるゲーム~むし歯にならないサステナブルな歯をめざそう!」ができるまで

株式会社Dental Defenseは、「世界基準の歯科医療を日本でも」をモットーに、日本人のお口と体全体の健康をよりよくするための事業を展開しています。当社では事業の一環としてオーラルケアが学べるゲームを提供しており、発売以来多くの方々に利用いただいています。


「オーラルケアが学べるゲーム」と聞いたら、子ども向けのバイキンを倒すゲームだろうと想像する方が多いと思います。しかし、このゲームは大人も楽しめる本格派。


それもそのはず、現役のママ歯科医師が自身の経験と知識の中から、真剣に1年間取り組んで生まれたゲームであり、第1回Board Game Japanカップ大賞を受賞した作品だからなのです。


「歯の王様をまもるゲーム~むし歯にならないサステナブルな歯をめざそう!」(英語名「The King of Teeth ~ Can you save it?」)ができるまでの物語を株式会社Dental Defense 代表で、歯科医師・歯学博士の生澤右子が振り返ります。




⚫️実現したいとアイデアを練っていた親子のための歯磨き教室。歯磨きの基本を知ることの大切さ


子どもたちがまだ小さい頃、親子のための歯磨き教室のプログラムを開発しようと思い、アイディアを練っていました。私は歯科医師ですが、赤い染め出し液でプラークが見えるようにして、鏡を見ながら歯磨きするというステレオタイプの歯磨き教室が、実はとても嫌いでした。


このような歯磨き教室は、おそらく全国どこでも学校に行っている間は、小学校・中学校で1回ずつ程度体験したことがあるのではないでしょうか。


歯科医院で「染め出し液」というと、皆さん「あ~あの小学校とかでやった赤い液ね(遠い目)」とおっしゃいます。それを聞くと、私は「全然過去のものじゃないんですけど!!」と言いたくなるのです。そうです、歯科医院でも予防に熱心なところでしか、実際に染め出し液を使って歯磨きを一緒にするということをしませんが、実はとてもとても大切な役割があるのです。それが「見える化」です。



⚫️「歯磨きの目的」はプラークを落とすこと。多くの人が歯を磨いたつもりになっている



歯磨きといって、「歯をきれいにする」と思っている人は、残念ながらあまり歯磨きの目的をわかっているとは言えません。


歯磨きの目的は、プラーク(歯の磨き残しに細菌が繁殖したもの)を落として口の中の細菌をリセットすることです。そのプラークは白く、歯と同じ色なので、どこにあるのか分かりにくいため、「歯をきれいにする」という意識で歯磨きをしている人はほとんどプラークを素通りして、磨いたつもりになってしまいます。そこで、染め出し液でプラークを「見える化」することで、しっかり”敵”に的を絞って除去することができるというわけです。




ですから、染め出し液は全く”過去のもの”ではありません。


歯科予防先進国のスウェーデンでは、歯磨きのプロである歯科衛生士さんと一緒に染め出し液で磨けないところを確認して、使うべきオーラルケアグッズを選んでもらったり使う練習をしたり、ということがルーティーンになっています。


これが世界基準のオーラルケア・歯磨きの基本の「き」の部分なのです。


今まで、染め出し液の話をしましたが、それ以外にも歯磨きや口の健康を守るための基本を日本では習う機会がほとんどありません。自分で歯科医院に積極的に通っている人はよいのですが、育つ家庭環境や健康への意識の違いによって、歯や口の健康を守る知識やテクニックのないまま、大人になってしまう人も多くいます。そのような人は、歯科医師から例えるとすると、細菌の大海原にたよりない小舟で漕ぎ出していくようなものです。過去の私も含めて、多くの人がよくわからないまま歯磨きをして、むし歯や歯周病になっていってしまいます。


必要なのは、細菌の大海原をうまく渡っていくための「攻略本」、そして前提としてその世界の「ルールブック」です。



⚫️大人も子どもも一緒に夢中になれる。「ボードゲーム」でオーラルケアへの理解を深めたい


最近でこそ、世の中にはネトゲ(ネットゲーム)やスマホのアプリ、スイッチなどが大人気の中、ボドゲ(ボードゲーム)の良さも見直されているようです。けれども私が小学生の頃はテレビゲームを買ってもらうことができず、友達にファミコン一緒にやらせてもらう以外は、アナログゲームで遊ぶしかありませんでした。


時が流れ、自分の子どもたちが小学生に上がる前、夢中ですごろくをやっている時期がありました。すごろくも、ただゴールを目指すのではなく、テーマが色々あり、まだ理解力のない子どもでも楽しめる作りになっています。


子どもたちにせがまれるたびにすごろくをやっていると、昔の自分の血が騒ぐと申しましょうか、あの国民的ゲームや不動産のゲームなどで遊びまくっていた頃を思い出しました。サイコロ等を振って、マス目を進みタスクをこなしながら、ゴールを目指すという普遍的な構造のゲームに、子どもたちと一緒に夢中になっている自分がいました。現在ではボードゲーム(アナログゲーム)の良さも見直され、イベントも開催されているようです。


そこで、企画した親子の歯磨き教室で「歯磨きのすごろく」をお子さんたちにやってもらったところ、驚いたことに大盛況でした。


⚫️コロナ禍の影響で、対面だけでなくオンラインでも楽しめるゲームへ


親子の歯磨き教室をどんどん開催していきたいところでしたが、コロナ禍の影響を受けて、ステイホームの長い日々が始まってしまいました。その頃、以前のSTORYでもご紹介したように、本の出版は半ば諦めていたところに、「オンライン化補助金」の話が舞い込んできました。これは、政府がコロナ禍をきっかけに社会のオンライン化を加速させようという狙いで作った補助金です。そこで、親子の歯磨き教室から着目していたゲームを、「コロナ禍」と「社会のオンライン化」という視点から練り直してみることにしたのです。


コロナ禍で改めてクローズアップされたのは、健康の大切さでした。


健康は決してあたりまえのものではなく、日頃から意識して健康を積み上げ、病気に簡単に負けない抵抗力を備える努力をしていかなければいけないということです。これには、歯と口の健康が非常に重要な役割を果たします。口の中の唾液には、細菌やウィルスの侵入を防ぐ免疫グロブリンAという物質が入っており、まさに体の玄関である口を守ってくれています。また、歯と口のケアがおろそかでむし歯や歯周病になると、その細菌や毒素は飲み込まれたり歯ぐきの中に入ったりして、血流にのり全身に広がっていきます。


幸い、歯と口のケアへの関心が以前より高まっていました。





コロナ禍で直接人と会うことはできなくなりましたが、オンラインが定着して会議や日常的な集まりもオンラインでできるようになりました。私が主宰している子どものための歯磨きライブ「みんなで!オンライン歯磨き」にも、オンラインアプリを問題なく使って参加してくださる生徒さんが集まってくれました。そこで、子どもから大人まで、リアルでもオンラインでも、オーラルケアを学習できるゲームを開発して、世界基準のオーラルケアを広めていきたいという趣旨で補助金に応募し、無事に採択していただきました。


⚫️ひとりでも多くの方に遊んでもらいたい!細部にまでこだわったゲーム開発


ゲーム作りの専門家であるスピカデザインの大下修央さんと何度もオンラインミーティングを重ねていくうちに、「オーラルケアが学べるすごろく」というぼんやりしたイメージがだんだんはっきりしていきました。


提案していただいた協力ゲームというのは、私が今まで遊んできた中にはなかったタイプなのですが、参加者同士が競うのではなく、一緒になって協力しながら目的を果たすというゲームです。


一番大変だったのは、ゲームの肝であるルール作りでした。正しいオーラルケアとむし歯になる仕組みが遊んでいくうちにわかるルール···。ミーティングは時に5時間に及ぶこともありました。この難題の答えは、大下さんとの会話から徐々にエッセンスが引き出されていき、ついにある時、フッと頭の中に降りてきました。


「カイスの輪」だ!


これは、歯の質・細菌(むし歯原因菌)・食物(糖)という3つの因子の輪が重なった時、時間の経過とともに、むし歯になりやすくなるという理論です。


この3つの因子をボードに反映したり、日常の甘い誘惑がよくない理由がわかるカードを作ったりすることで、ついに作りたかったゲームのルールが明確になりました。世界基準のオーラルケアについて、DUOデンタルクリニックの大月基弘先生にアドバイスを頂いたり、多くの方々に遊んでもらいたいという思いから英語でも遊べるように翻訳を土岐田健太先生にお願いしたりして、1年かかって完成させることができました。



⚫️「歯の王様をまもろう」をプレイしてくれる方に伝えたいこと


ゲームでは、すごろくの要素を入れたゲームのシートと、親しみやすいイラストのカード・サイコロを使いながら、“歯の王様”を歯磨きしてむし歯にならないようにします。


ゲームの中でむし歯に「なりそうになる」「なってしまう」というところを疑似体験して、ハラハラドキドキしてもらいます。やがて、この攻防が自分の日常生活にも起こっていたことに気づき、モチベーションアップとオーラルケアの見直しができる仕掛けになっています。家族やグループでワイワイしながら楽しく遊ぶ中で、


「歯って、自分で大切にしないとダメなんだ」

「オーラルケアって、結構気をつけることがあるんだな」

「歯医者さんって、歯を一緒に守ってくれる身近な存在なんだ」

 

などと、お子さんや保護者の方に感じてもらえるように、開発しました。


「歯の王様」と呼んでいるのは、前から数えて6番目の6歳臼歯(第一大臼歯)です。


 ①噛む力が最も強い大きな歯

 ②かみ合わせの中心的な歯

 ③むし歯ゼロ達成の目安になり、この先を予測できる


ということが理由です。


そして、統計的にも一番最初に失う歯であるといえます。第一大臼歯が早い段階でむし歯になると、治療が繰り返され、50代から連鎖的に歯がなくなっていってしまうパターンが多いので、この歯を守るのは子どもにとっても大人にとっても大切なことなのです。



⚫️企業研修でも活用いただけるように。歯と口の健康が企業の生産性を向上!


ようやく形になった「歯の王様をまもるゲーム~むし歯にならないサステナブルな歯をめざそう!」は、ユニークさ・学習要素・ゲーム性を兼ね備えた学習ゲームとして、第1回Board Game Japanカップ大賞を受賞させていただきました。





また、日本歯科新聞に特集を組んでいただいたり、株式会社SEGA XD製作の、国内ゲーミフィケーション事業者198社をまとめた「ゲーミフィケーション業界カオスマップ」のヘルスケア部門4社のうちの1つに載せていただきました。最初は歯磨き教室から始まったゲームですが、このような数々の評価をいただき、親子向けだけでなく、企業研修の場でも積極的に使っていく予定です。というのも、現在経済産業省と厚生労働省が進めている健康経営に、貢献できると考えているからです。


歯と口の健康が全身の健康につながるということが広く認識されつつあり、ようやく健康経営の中でも取り上げられるようになりました。私は、さらに一歩進んで、歯と口の健康に注意を払わないことで企業の生産性低下や経済損失があるのではないかという仮説を持ち、口臭に関するアンケート調査を行いました。すると、驚くべき結果が出たのです。センセーショナルだったためか、Forbes JAPANさんにも取り上げていただきました。


⚫️4億円以上の取引が口臭によって中止?!大人にこそ必要なオーラルケアを、ゲームで手軽に体感してほしい






口臭の原因の一つに歯周病があります。歯と口のケアを適切にすれば、歯周病による口臭を抑えることができます。


このアンケートにより、歯と口の健康をおろそかにする従業員をそのまま放置することは、企業にとって非常に大きな損失となるリスクがあることが示されました。健康経営においても、歯と口の健康を従業員に啓蒙して、ケアを実践させる取り組みを進める必要があります。そのために今後は、このゲームで遊びながら、体験やモチベーションをそのままにオーラルケアを身につける企業研修を展開していく予定です。




⚫️ゲーム会の感想


(親子のゲーム会より・小学生)

・歯みがきは大事。甘いもの食べた時はうがいするようにしようと思いました。

・歯について書いてある絵本も読んだけどゲームにする事で具体的にどういう事が歯に良い事なのか分かりやすく覚えやすかったです。すぐにやってみたいと思いました。


(親子のゲーム会より・保護者)

・自然に歯の大切さが学べるので、本当によくできたゲームだと感じました。

・一緒にやると大人の意識も高まり、それが子どもにも影響するような気がします。


(大人のゲーム会より)

・ゲームに白熱しました。初対面のメンバーともゲームですぐに打ち解けて楽しいひとときでした。

・「歯は一生の宝」ゲームのあちこちに歯の大切さをわかりやすく伝えるメッセージが散りばめられていました。歯の健康、チームワークの両方が学べるゲームでした。









■歯の王様をまもるゲーム〜むし歯にならないサステナブルな歯をめざそう!

詳細情報


一緒にゲームをするみんなと協力しながら、歯の王様をまもるゲームです。


「寝る前にお菓子を食べて、歯を磨かずに寝ちゃった。」

「氷をガリガリ気持ちよくかんでしまった。」

なんて経験はないでしょうか?


むし歯のできる理由には、【歯のつよさ】【ばい菌】【食べもの・飲みもの】の3つがあるといわれています。毎日歯は戦っていて、何もしないと負けてしまいます!


「歯ブラシ」「フッ素」「フロス」「タフト」、そして何より助けになる「歯医者さん」の力を借りて


チームで一丸となり、「歯の王様」をまもるために、”7日間”むし歯にならないように頑張りましょう。



https://dr-ikuzawa.stores.jp





■株式会社Dental Defense

https://dentaldefense.co.jp

設立:2018年5月

代表取締役:生澤右子


≪生澤右子 経歴≫

東京医科歯科大学歯学部卒業

東京医科歯科大学大学院卒業・歯学博士

ペンシルバニア大学歯学部大学院 マイクロサージェリーコース修了

明海大学歯学部客員講師

米国歯内療法学会会員 American Association of Endodontists

日本歯科麻酔学会会員(日本歯科麻酔学会認定医)

健康経営エキスパートアドバイザー(東京商工会議所認定)


著書

歯と口を整えるアンチエイジング〜自宅で毎日できるセルフケア!

(ビジネス社)

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笑顔が素敵な「口元美人」になれる世界基準のオーラルケア

自宅で毎日できるセルフケア!

カリスマ歯科女医が教える健康に生きるための「10のメンテ」


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今日から始める新健康・美容習慣

歯磨きを「歯ブラシだけ」で手軽に済ませているのは日本人だけ!?

口の健康を保つことこそ「美」「健康」「若さ」の秘訣


〇メンテ01 「口内細菌」のバランスを整えて免疫力を維持!

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