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加齢で男性ホルモンの一種「テストステロン」が減少すると、「男性更年期」のさまざまな症状に悩まされる。さらに、専門医はがんや心筋梗塞のリスクが高まると指摘する。一方で、テストステロン値が高い男性は仕事で高収入を得て、女性にもてる傾向があるという。
◇リスクを取る
アーノルド・シュワルツェネッガーさん =1977年05月19日、仏カンヌ(AFP=時事)
テストステロンは陰茎を大きくしたり、ひげを濃くしたりし、声変わりなどにも関係する。
しばしば引用される論文や報告によると、テストステロンの数値が高い人は低い人より年収が3~5倍高い上に、運動能力が高くスポーツが得意。子どもをもうける能力も高いとされている。なぜだろうか。
泌尿器抗加齢医学研究会のメンバーである獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科の井手久満准教授は「テストステロンの高い人はリスクを取ることにちゅうちょしない。その結果として仕事で成功し、年収に差が出てくるのではないか」と言う。
◇薬指の長い男が好まれる
さらに、テストステロンが高い男性は女性にもてるという。井手准教授によると、米国で女子大生250人に男性の顔写真を見せて好ましい相手を選んでもらう試みがあった。女子大生たちが選んだのは、薬指が長い男性が多かった。
恋愛や結婚で低下するテストステロン
マウスを使った実験によると、テストステロンの受容体がないマウスは薬指が短くなる傾向があった。こうしたことから、人間について「薬指が長い=テストステロン値が高い=女性にもてる」という図式が成り立ちそうだ。
◇闘争のホルモン
興味深いことに、男性が恋に落ちるとテストテトロンは低下し始め、相手との「真剣な交際」に至ったり、同棲したりすると、ガクンと落ちる。子どもができると、子どもがいない人との比較で3倍近くも低下する。
井手准教授は「テストステロンが高いと闘争心が旺盛だ。しかし、結婚して子どもができても、けんか早く、家庭の内外で争い事が絶えないというのでは困るからではないだろうか」と話す。
テストステロン減少に伴う諸症状
2008年の米大統領選で、オバマ氏(民主)が故マケイン氏(共和)を破った。マケイン陣営の男性は敗北が決まると、テストステロンが急激に低下した。「闘争のホルモン」であることを示す一例だろう。
◇うつや心筋梗塞にも関係
テストステロンは闘争心だけではなく、健康問題にも関係する。その減少は、前立腺がんや脳梗塞、心筋梗塞、「男性更年期」とも呼ばれる加齢男性性腺機能低下症候群(LOH)などに影響する。テストステロン減少に伴う精神的症状としては、不安やいらいら、うつ、性欲の減少などが挙げられる。身体的症状では、筋力低下や筋肉痛、疲労感、頻尿などだ。
さらに、前立腺がんの手術を専門とする井手准教授は過去の症例を基に「テストステロンの低い患者は、精嚢(せいのう)への湿潤など転移しやすく、悪性の度合いが高い」と指摘する。
獨協医科大学埼玉医療センターの井手久満准教授
◇健康長寿のバイオマーカー
「テストステロンは健康長寿のバイオマーカーだ。高い人はがんに罹患(りかん)しにくく、心筋梗塞などを起こしにくい。また、肥満にもなりにくいといった疫学的データがある」
このホルモンを補充療法に頼らず増やすことはできるだろうか。井手准教授は「テストステロンは精巣で最も多くつくられ、次が副腎だ。ところが最近、筋肉の中でもつくられていることが分かってきた」と言う。
筋肉トレーニングを行うと、血液中のテストステロンが上昇するという報告もある。「ただ、マラソンといった負荷の大きな運動は必要なく、適度な運動でよいだろう」と、井手准教授はアドバイスしている。(鈴木豊)
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