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便秘がつらいのは大人だけではない。幼稚園や保育園の入園、小学校への入学など子どもの生活リズムが大きく変わると、当人にとっては大きなストレスになり、便秘に悩むケースが増えてくる。排便がうまくいかない。腹痛や肛門から出血する。こうした直接的な症状だけでなく、胃液の逆流や口臭、おねしょなども兆候として大きなポイントになる。強い腹痛や口臭、繰り返す嘔吐(おうと)などがあれば、「長期で重症の便秘の疑いがある」として、小児消化器の専門医は注意を喚起している。
便秘に苦しむ子どもも多い
◇成長の3段階に危険
子どもは離乳期に、肛門周辺の筋肉を緩めると同時に、力むことで排便の能力を習得する。続いて、幼児期のトイレトレーニングにより自分の意志での排便を可能にする能力を身に付ける。この二つの段階を経た後、小学校に入学して通学を始める頃には、授業などのためにトイレに自由に行けなくなったり、トイレに行くことに羞恥心を抱くようになったりしてしまうことがある。
「この三つの成長段階がそれぞれ、慢性の便秘に陥る危険が高くなるタイミングだ」。済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長で、同病院で「小児便秘外来」を開いている十河剛医師は、こう話す。
◇高い保護者の関心
「毎年2~3回は小児の排便に関しての市民公開講座を開催しており、毎回参加者が多い。同時に実施している問診と超音波腹部エコー検査による小児の便秘検診では毎回30人の定員を大幅に上回る申し込みがある」。十河医師によれば、保護者の関心は高い。
定員を上回る申し込みがある小児の便秘検診=済生会横浜東部病院提供
◇怖い便塞栓
便秘による症状は、腹痛や肛門からの出血やかゆみ、痔核(じかく)だけではない。長期間排便されずにいると、硬くなった便が肛門周辺にふたをしてしまう「便塞栓(そくせん)」という状態に陥る。こうなると「便通が難しくなるだけでなく、硬い便の周囲を液状の便だけが漏れてしまったり、これが肛門周辺に付着して皮膚をただれさせたりする」と十河医師は言う。
このような場合、貯留された便に圧迫されて胃液が食道を逆流したり、嘔吐(おうと)や吐き気を訴えたりすることも少なくないので、保護者は注意する必要がある。
(2019/03/28 06:20)
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