口臭〔こうしゅう〕 家庭の医学

 不快な口のにおいや、口を通じて出される悪臭を口臭といいます。生活の向上に伴って清潔意識が高まり、口臭に敏感な人がふえています。
 実際に不快な口臭が確かにある場合と、口臭がないのに本人が思い込んでうったえる場合があります。いわゆる心因性口臭と呼ばれるものです。
 口臭は、口の中の細菌によって食物たんぱくが分解されることで発生します。口が臭いのは胃がわるいとよくいわれますが、多くは歯や口の病気が原因です。
 肝臓がわるくて(肝硬変)、血中のアンモニアが増加して、口がアンモニア臭くなることがあります(肝性口臭)。ひどくなると、手が震えたり(はばたき振戦)、意識が朦朧(もうろう)としてくる(肝性脳症)こともあります。

(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)