吐き気 家庭の医学

 吐き気はムカムカして吐きそうな感じのことで、しばしば嘔吐にさきだって、あるいは同時にみられます。胃をはじめ、腹部の臓器の病気でも起こります。
 吐き気はさまざまな原因で起こり、薬で吐き気をとめることよりも、まずはその原因をはっきりさせることが大切です。たとえば、頭の病気(頭痛、脳腫瘍、脳血管障害、脳髄膜〈ずいまく〉炎など)、呼吸器の病気(肺炎気管支拡張症、気管支炎、呼吸不全など)、循環器疾患(心筋梗塞など)、代謝疾患(糖尿病など)、眼科疾患(緑内障など)、耳鼻科疾患(めまい、中耳炎など)、精神的原因(うつ病、ストレスなど)、薬剤性(アルコール中毒やさまざまな薬剤の副作用など)、つわりなど、数えただけでも実に多くの病気や症状で吐き気が起こります。
 吐き気がなかなかおさまらないときは、医師の診断を受け、原因をはっきりさせる必要があります。

(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)