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神経痛のような鋭い痛みがあり、体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状の赤い発疹が出るのが、帯状疱疹(ほうしん)だ。約1万5000人の医師が所属する日本臨床内科医会が実施したアンケート調査からは、帯状疱疹の患者が受診すれば自ら治療に当たるが、症状や発症部位により皮膚科など他科へ紹介し、万全を期しているという実態が浮かび上がった。
年間の症例
この病気は水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが引き起こす感染症で、子どもの頃に水痘として発症しても短期間で治癒するケースが多いが、ウイルスは体内にとどまる。やがて加齢やストレスなどでウイルスが活性化し、帯状疱疹を発病する。
◇年間に10例未満
アンケート調査によると、 同会所属の医師が1年間に帯状疱疹と診断した患者は「1例以上10例未満」が68%と最も多かった。「10例以上30例未満」は28%、「ほとんどない、あるいはない」は1%にすぎなかった。
この数字が多いか少ないか、という判断は難しい。帯状疱疹という病気を知っている人が増えたことで、最初から皮膚科などを受診するケースが増えたとも考えられる。
帯状疱疹と診断した場合の対応
◇自ら治療するのが基本
帯状疱疹と診断した場合の対応はどうか。「自分で治療する」が75%で最も多かった。「皮膚科など他院(他科)へ紹介する」は10%にとどまった。とはいえ、自由回答からは患者の状態を踏まえ、臨機応変に対応するという姿勢がうかがえた。
「基本は自分で治療するが、すぐに症状の改善が見られない場合は病院の皮膚科専門医に紹介する」
「頸部(けいぶ)から頭部に発症していれば、皮膚科に紹介する」
「頭頸であれば、耳鼻科へ紹介する」
「眼窩(がんか)近くの病変は眼科へ紹介する」
共通して言えることは、「症状に応じて紹介する」「ケース・バイ・ケース」という点だ。さらに、「患者の痛みが強いときはペインクリニックを紹介する」という回答もあった。痛みを緩和することは、大切だ。
ワクチンに対する関心
◇ワクチン接種に高い関心
帯状疱疹の予防については、ワクチンという手段もある。このワクチン接種に関して「かなり関心がある」は62%、「どちらかといえば関心がある」が35%で、両者を合わせると97%に上った。
内科医の間では、帯状疱疹ワクチンを推奨する考えが定着しているようだ。
ただ、自由回答では「実際にワクチン接種を実施している」との声がある一方で、「患者に勧めてもあまり反応がない」という意見もあった。今後の課題かもしれない。
(2019/05/16 11:00)
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