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鼻ではなく口で呼吸する日本人は多い。一説には大人の半数以上、子どもに至っては8割に上るともいわれる。だが、そもそも口は食べ物を摂取する消化器で、呼吸器は鼻だ。西原研究所・西原歯科口腔(こうくう)科診療所(東京都港区)の西原克成所長は「鼻呼吸は健康に貢献し、自分自身を病気から守ってくれますが、口呼吸は病を招く種にもなります」と警鐘を鳴らす。
◇口から雑菌侵入
気が付くと口が半開きになっている、いびきをかく、物を食べるときに音を立てる、歯並びが悪く口がうまく閉じられない…。そんな人は口呼吸をしている可能性が高い。
西原所長は、口呼吸を続けていると、虫歯や歯周病、口臭、味覚障害、風邪などさまざまな疾患を引き起こすと訴える。口呼吸によって口の中が乾燥し、殺菌、消毒、洗浄といった作用を持つ唾液が上手に機能しなくなるからだ。
呼吸器の鼻から入った空気は鼻腔(びくう)や鼻の奥にある副鼻腔を覆う粘膜を通して酸素が取り込まれ、同時に二酸化炭素が排出される。その過程で繊毛や粘液が空気をろ過し、加湿・加温している。「鼻は非常に優秀な空気清浄機・加湿器なんです」
口から入った空気には雑菌が含まれているため、その雑菌が原因で不調を引き起こしやすくなる。また、口呼吸だと取り込む酸素量が少なくなるので、血中の酸素濃度が減少して頭がボーっとしたり、逆にイライラして怒りっぽくなったりすることもあるという。
(2017/01/16 14:19)
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