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訪日外国人旅行者数3000万人到達の記念セレモニー=2018年12月18日、関西国際空港【時事通信社】
日本経済新聞社などが主催する第21回日経フォーラム「世界経営者会議」が「激動を味方にするリーダー像」をテーマに開かれました。
世界が新たな激動期を迎える中、世界企業のトップが集まり、革新を起こす力の重要性を訴える意見が相次ぎ、議論が展開されるところに参加してきました。
その中から、JR九州会長の唐池恒二氏ら2人の経営者による「外国人との共生が育む新たな市場」について、ご紹介します。
日本政府観光局(JNTO)による2018年の世界各国・地域への外国人訪問者数の調査によると、日本への外国人訪問者数は3119万人であり、これは世界で11位、アジアで4位に相当するそうです。
ちなみに世界トップは、フランスの8691万人、2位はスペイン8277万人、3位は米国7694万人です。アジアのトップは、世界4位の中国で6290万人です。03年の訪日外国人の数は521万人でしたから、15年で約6倍になりました。
今後の予測では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年に4000万人となり、その後も増加して、30年には18年の2倍弱の6000万人に達することは間違いないそうです。
近年、アジア各国が急激に経済成長し、日本への旅行者が増える下地が出来上がってきたことが後押ししているとのことです。
また、団体旅行から個人旅行へ、旅行目的も食や買い物から日本の文化やライフスタイルを体験することへ、と量的にも質的にも変化してきており、今後はいかにリピーターを増やせるかがカギとなるそうです。
外国人旅行客の目的も多様化している。写真は高野山の宿坊で瞑想(めいそう)などを体験する外国人宿泊客=2018年10月21日、和歌山県高野町【時事通信社】
ラグビーのワールドカップ観戦で日本を訪問した欧米人のリピーターも期待したいところです。そして、医療の世界でも、メディカルツーリズムの進展が大いに期待されます。
◇ボランティア医として世界へ
さて、本題に移りましょう。先月に続き、M&A成功事例に見る開業医のハッピーリタイアをご紹介します。
個人で内科のクリニックを開業していたG医師は「診療所経営よりも医療そのものに専念したい」「純粋に患者のためにだけ働きたい」という思いが年々強くなり、50代でしたが、M&Aでクリニックを譲渡することを決めました。
譲渡を検討した時は、年間で3000万円ほどの利益となっていましたが、全盛期には2倍近い利益を出していたため、既に一定の蓄財も出来ていました。
後は、できるだけ家族のために生活資金を確保した上で、自分はボランティアとして、世界の国々で医療活動を行いたいとの意向でした。家族に経済的な不自由をさせることなく、自分は自分の道を全うすることを選んだのです。
◇条件は譲渡価格だけ
譲渡価格は、当初から1億円と決めており、一切ぶれることはありませんでした。それ以下になるようであれば、交渉はしなくてよいという条件でしたので、こちらとしてもマッチング相手を探しやすかったことを覚えています。
マッチングの相手は、民間の病院で勤務する40代のH医師でした。県外で実の父親が医療法人としてクリニックを経営していましたが、家族のこともあり、生活拠点を移すことは考えられず、ご自身は父親の医療法人を利用して現在の居住地近くでの開業を希望していました。
G医師の提示した条件が譲渡価格の金銭面だけというシンプルなものであったことなどから、スムーズに交渉はまとまりました。
個人から医療法人への承継となるため、手続きはやや複雑なものとなりましたが、私の事務所では、このようなケースもこれまで何件か手掛けてきましたので、特に困るようなことはありませんでした。
引き継ぎ期間は3カ月ほどで、週1日程度の代診でクリニックの外来を担当していただき、徐々に患者さんを引き継ぐ形をとりました。
従業員の雇用については、承継後の診療をうまく運営していくためにも継続雇用をお勧めしましたが、譲渡条件としては雇用の継続については入れていなかったので、最終的にはH医師に一任となりました。
(2019/11/06 11:29)
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