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~トラブル増で専門家警鐘~
高齢者は肉などの食事を控えた方が良い、というのはもう古い「常識」だ。たんぱく質などをきちんと摂取しないと「低栄養」を招き、病気になりやすくなる。そして、食事の質とともに注意したいのが、加齢に伴い筋力、食べ物や飲み物を飲み込む「嚥下(えんげ)」の力が低下することだ。嚥下力の低下に関しては特に、食べた物や飲料を飲み込む際に誤って気道に入ってしまう誤嚥性肺炎が栄養不足などにもつながるだけに警戒したい。
飲み込む力を低下させる高齢者の低栄養
◇気付きにくい誤嚥性肺炎
脳卒中などの後遺障害で嚥下機能が損なわれた際に注目される誤嚥性肺炎だが、加齢に連れて時間を掛けて少しずつ低下し、急性肺炎を起こして入院し、初めて誤嚥性肺炎と判明する事例も少なくない。風邪やインフルエンザなどの感染症の患者が増える時期を迎え、注意が必要だ。
「脳梗塞などの後遺症に加え、加齢やその他の疾患の影響でいつの間にか嚥下機能が低下し、知らないうちに誤嚥して肺炎を起こして入院する高齢者が多い」
高齢肺炎患者の緊急入院が多いというイムス東京葛飾総合病院(東京都葛飾区)で、入院中と退院に向けての指導に熱心に取り組んでいる管理栄養士の平松理香さんはこう話す。
本人や同居する高齢者の家族に食事中にむせるなどの誤嚥性肺炎の兆候があっても「歳のせいかな」などと思い、そのままにしてしまうケースが少なくないと、平松さんは指摘する。その結果「肺炎を発病して入退院を繰り返し、医師による診断や説明を受けて初めて嚥下機能の低下と肺炎の関係に気付くこともある」と言う。
イムス東京葛飾総合病で栄養指導に当たる管理栄養士の平末理香さん=東京都葛飾区
◇負のスパイラル
このような事例の多くの背景には、独居などの理由で十分な介護や生活支援が受けられず、十分な栄養が取れていないという問題も関わっている。「体力の低下や活動量の減少で、調理や買い物が難しくなるため、安価で保存が利く上に簡単に食べられる菓子パンや手軽に入手できるが栄養バランスの良くない市販の弁当や惣菜で食事を済ませてしまう高齢者が少なくない。その結果、ビタミンやミネラルはもちろん、エネルギー産生栄養素のたんぱく質や脂肪も不足して、体力や筋力の低下を招いてさらに活動量が低下する、という負のスパイラルに陥ってしまうパターンが多い」と平松さんは嘆く。
高齢者の多くは、活動量の減少や身体機能の低下の影響で食欲は減少傾向にあって、必要な栄養量を満たしかつバランスの取れた食事を続けるのは難しい。入院中や退院後には食べやすい量で十分かつバランスの取れたゼリー状の補助食品などを食事の際に添えたり、おやつなどの形で摂取したりするのが良いだろう。
(2019/12/09 07:00)
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マウスピース矯正、ここに注意!
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