肺炎〔はいえん〕 家庭の医学

[原因]
 ウイルスや細菌、マイコプラズマなどの微生物の肺への感染により起こります。ウイルス感染は全年齢、細菌感染は乳幼児、マイコプラズマ感染は学童に多い特徴があります。

[症状]
 発熱、せきが主症状で、呼吸困難を伴うこともあります。全身状態の悪化や呼吸困難があれば、入院となります。

[診断]
 胸部X線検査で、肺炎の影をみとめることによって診断されます。血液検査では白血球数や炎症反応の強さ、マイコプラズマ抗体価(微生物などの異物が体内に入ると、それを攻撃するためにつくられるたんぱく質が抗体で、その値を調べることにより、微生物の感染が存在したかどうかの証明ができる)を調べたり、細菌培養検査や遺伝子検出法により、原因微生物を特定していきます。

[治療]
 せきやたんを出しやすくする薬の内服、水分補給のための点滴、抗菌薬の内服または注射、酸素吸入で治療します。重症例では人工呼吸器による呼吸管理が必要なこともあります。

【参照】呼吸器の病気:肺炎

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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