特集

危険な高齢者の栄養不足
嚥下力低下も大きな問題

 ◇栄養補助食品、スーパーも取り組み

 高齢者向けの栄養補助食品は、医療機関の売店や通信販売が主な流通経路だ。ただ、医療機関を訪れる機会は少ない上に、インターネットなどを使った通信販売は、現在の高齢者の多くにとっては敷居が高い。そこでスーパー大手のイトーヨーカ堂では、介護用品や紙おむつなどと一緒に、多様な介護食・栄養補助食品を並べ、専門相談員による商品アドバイスも受けられる「あんしんサポートショップ」を開設する店舗を増やし始めている。

さまざまな高齢者用栄養補助食品が並ぶコーナーも=東京都葛飾区 イトーヨーカ堂亀有店

 同社ヘルス&ビューティー部の宮腰大輔さんは「ゼリーや飲料の栄養補助食品の多くは、入院中に食べたり、医療機関で栄養指導の中で奨められたりした人が多い。他の介護用品以上に一度購入してもらえれば、リピーターになってくれることが期待できる。新聞折り込みチラシなどで各店舗でもPRに力を入れている」と話す。

 同社亀有店の担当者も「高齢者本人だけでなく、介護する家族らにも買いやすい売り場づくりを目指す。常時、これらの商品に詳しい複数の店員が売り場にいるように心掛けている。さらに、買った商品が一定額以上になれば配送するサービスの利用も進めている」と語る。

 ◇情報発信が課題

 ただ、このような栄養補助食品があることや、どこで購入できるか、必要とする高齢者や家族によく知られていない。嚥下障害の度合いや不足している栄養素に応じてどの食品を選べばいいのか、十分に周知する必要はあるだろう。

 高齢者向けの栄養補助食品を製造・販売しているネスレヘルスサイエンス日本の担当者は「入院中や栄養指導で奨められた食品と同じ物を、近くのどの店で購入できるかといった情報を、医療機関単位で発信できるようにしていきたい」と言う。(喜多壮太郎・鈴木豊)

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