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ジェネリック医薬品(後発医薬品)のシェアは米国の約92%やドイツの約85%に比べ、日本は約56%とかなり低い。理由の一つが副作用や健康被害への心配だが、リスクは新薬でも同じだ。国際医療福祉大学教授の武藤正樹医師は「国が品質の調査や試験を実施、公的な補償制度もある」とした上で、「ジェネリックの品質はさらに向上していく。まずは試してほしい」と呼び掛けている。
◇バイオにも後発品
―新薬メーカーもジェネリックの製造に力を入れるようになる。今後、新薬の開発は積極的に行われなくなるのでしょうか。
現在、新薬の開発で期待されているのが、バイオテクノロジーによる新時代の薬品、バイオ医薬品です。生体内で働く医薬品を遺伝子工学で作る方がより確実に効果が得られます。日本で最初の生物学的製剤であるリューマチ薬「レミケード」など、治療革命と言われるほど画期的な医薬品が登場し、治癒が困難とされてきた疾患に対して大きな効果をもたらしました。ただ問題は、制がん剤「オプジーボ」でも大きな話題となりましたが、大変高額なのです。バイオ医薬品の新薬の承認が相次ぎ、医薬品全体の医療費も4倍近く上がっています。今後はもっと上がるでしょう。
そこで注目されているのが、バイオ医薬品の後発品である「バイオシミラー」です。バイオ医薬品は低分子の医薬品とちがって製造工程が大変複雑で、全く同一の物を作ることが難しく類似品という扱いとなりますが、バイオシミラーは現時点で5製品が商品化されています。
例えば、低身長の患者さんの成長ホルモンの治療は1年間で180万円、通常5年間かけて治療しますので約900万円かかります。成長ホルモンの治療に使われる公費負担は400億円となり、小児の難病のほとんどがこれに使われている状況です。これをバイオシミラーに切り替えることで、他にも必要とされている小児慢性疾患の予算に回すことができますが、小児慢性疾患の成長ホルモンのバイオシミラーのシェアは現在、わずか1.4%にすぎません。
(2017/01/31 15:58)
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