インタビュー

ジェネリックへの誤解解く=武藤正樹医師に聞く(下)

 ◇まずは試してみること

 ―今後、ジェネリック医薬品とどう付き合っていくべきでしょうか。

 武藤 薬を変えるということは、新薬であってもリスクがあります。新しい薬が出ると、効果が高いということで、気軽に乗り換える人は多いのですが、相性が合うかどうかは試してみないと分かりません。新薬の場合は承認時点では使用された症例数が少ないので、よりリスクも高まります。ジェネリックは長年親しまれている成分で作られた薬なので、その点はまだ安心です。ジェネリックを試してみて、効果が得られないと感じたときは、先発品に戻す、または他のメーカーのジェネリックも試すなどして、まずは受け入れてみるとよいでしょう。

 ジェネリックのメリットは安いことだけでなく、服用回数が少なくて済む、薬の形や味を変えて飲みやすくするなど、各メーカーによって工夫を加えて開発されている点にあります。今後はジェネリック医薬品の間でも競争原理が働き、品質は向上していくでしょう。数年先には、ジェネリックが当たり前のように使われるようになると思います。

武藤正樹医師の略歴

神奈川県川崎市生まれ。新潟大学医学部卒業。米ニューヨーク州立大学で家庭医療学を学ぶ。国際医療福祉大学大学院教授、日本ジェネリック医薬品学会代表理事。厚労省や内閣府の委員として医療政策に関与。(ソーシャライズ社提供)

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