治療・予防

【連載COPD④・完】高齢男性の病気と思っていませんか?=重症化しやすい女性のCOPD

 喫煙が大きな原因とされ、「たばこ病」とも呼ばれる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は、高齢男性の病気というイメージが強い。しかし、NPO法人女性呼吸器疾患研究機構理事長で、東京クリニック(東京都千代田区)呼吸器外科の宮元秀昭医師は「患者数は男性が多いですが、女性は発症率が明らかに高く、重症化もしやすいことが分かっています」と明かす。

 ◇40代で発症も

 

COPD患者数の男女比は3対1と男性に多いが、同じたばこの量で受ける影響は女性の方が大きい。発症率の高さや重症化に加え、「治療がうまくいかず、症状を悪化させて入院する人も女性の方が多いのです」と宮元医師は指摘する。

 女性の方が肺は小さく気管支が狭いため影響を受けやすく、肺の老化が早い。また、少量のたばこの煙にも反応しやすい遺伝子(喫煙感受性遺伝子)が存在し、この遺伝子の保有者は圧倒的に女性が多いことも近年分かってきた。

 女性ホルモンとして知られるエストロゲンの減少も発症に関係してくるという。宮元医師は「COPDは男性は60代後半から多くなりますが、女性では40代から発症する人も少なくありません。エストロゲンには気管支の過敏性を弱めてくれる働きがあり、閉経後にエストロゲンの量が減ると、COPDやぜんそくを発症する人もいるのです」と説明する。

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