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子宮と卵巣を持つ女性の問題は、強い生理痛や月経の不順から、頭痛や腹痛などの月経前症候群(PMS)まで幅広い。月経異常や子宮内膜症などを早期に発見するため、婦人科でも、かかりつけの医者を持つことが提唱されている。
対馬ルリ子医師
「女性の健康週間」に合わせてこのほど開催されたオンラインイベント「わたしたちのヘルシー~心と体の話をはじめよう~」(主催・ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会)で、この問題が取り上げられた。モデルの村田倫子さんは「産婦人科や婦人科は、妊娠など『何かあったら行く場所』というイメージが強い」「なかなか婦人科系を受診するきっかけがない」と語った。
これに対し、婦人科医で日本女性財団理事長の対馬ルリ子医師は「月経と簡単に言うが、体にとっては大きなショックを及ぼす一大イベント。また、自覚症状が出るのが遅い婦人科疾患もあるので、わずかな不調を見逃さないためにも、定期的に受診して気軽に相談できる婦人科があると安心」と強調した。
しかし、診断薬メーカーのロシュ・ダイアグノスティックス(東京都港区)が2020年12月に15~69歳の女性5000人を対象にしたインターネット調査では、なかなか、かかりつけ医を持てない現状が見える。
婦人科系疾患について相談できる、かかりつけ医について「必要性を感じる」と「やや感じる」の合計が54%を占めた。だが、実際に、かかりつけ医が「いる」は28%にとどまった。産婦人科医をかかりつけ医としているとの回答と、「産婦人科の医師ではないが、婦人科系の症状についても相談できる医師がいる」は各5%だった。
かかりつけ医を持つ女性は少ない=ロシュ・ダイアグノスティックスの調査より
医療機関を受診した比率を疾患ごとに見ると、不妊症は72%、月経困難症は61%と比較的高かったものの、「骨粗しょう症」は45%、「更年期障害」は34%にとどまる。
この調査結果について、相模野病院婦人科腫瘍センター顧問の上坊敏子医師は「女性ならではの健康の不安について、多くの女性が医師に相談できていない現状が分かった」と説明。婦人科系の疾患の中には、自覚症状などで気付いたときには病状が進行していることもあるので、近くの産婦人科や婦人科を、かかりつけ医として定期受診することを勧めている。(了)
(2021/03/11 05:00)
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