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月経不順はストレスや子宮の病気とも関連するが、日本人の月経周期は詳しく分かっていなかった。周期約600万回分を解析した国立成育医療研究センター研究所(東京都世田谷区)分子内分泌研究部の鳴海覚志室長と同研究所社会医学研究部の三瓶舞紀子さんは「自分の周期を知ることは大事です」と強調する。
月経周期は年齢により変化する
▽季節とは無関係
月経は約1カ月の間隔で起こり、一定の日数で自然に止まる。正常な周期は25~38日で、当てはまらない場合を月経不順という。原因は疲労やストレスによるホルモンバランスの乱れ、子宮内膜症、子宮筋腫や子宮がんなどがある。
ただ、正常とされる月経周期は、1962年の米国調査に基づいており、鳴海室長は「現代の日本人女性の実情と合っているか確証はありませんでした」と話す。そこで日本人の特徴を明らかにするため、月経周期や基礎体温などを管理するアプリから得られた約600万周期のデータを詳しく調べた。
「動物は特定の季節にしか繁殖しません。例えば、馬は春から夏に子を産みます。人間にもその名残があるのではと季節の違いで月経周期を調べたところ、1年中全く同じでした。また、北海道と沖縄県で日照時間は異なりますが、47都道府県で月経周期に差はなく、日照時間も関連していませんでした」
▽最長は妊娠適齢期
さらに、日本人の月経周期は23歳で平均30.7日と最も長く、その後徐々に短くなり、45歳で最も短くなった後、閉経に向けて再び長くなることも判明した。
鳴海室長は「月経周期が最も長い23歳時は、医学的に妊娠や正常な着床に適した年齢とされます。つまり、月経周期が安定して最も長い年齢は、生物学的に最も妊娠しやすい年齢と合致していたのです」と説明する。
一方、10代女性の月経周期は短めで不規則なことも分かった。しかし「10代で月経周期が不規則でも、短めならそれほど心配ないでしょう」と鳴海室長。
今回の調査では、月経の1~2週間前に心身の不調を経験した人が約7割に上り、全体の4人に1人は何らかの症状が原因で仕事や家事に支障があったと回答している。三瓶さんは「予想以上に多くの女性が月経前に不調を抱えていました。不調の悩みは自分だけで抱え込まず相談してほしい」とアドバイスする。
鳴海室長も「自分の月経周期を知り、乱れや月経前のつらい症状がある女性は、一度婦人科を受診してください」と勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/10/27 05:00)
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