治療・予防

上手に取り入れて―低用量ピル
正しい理解で、安全かつ効果的に(日本家族計画協会 北村邦夫理事長)

 経口避妊薬(ピル)は、継続服用することで避妊効果が得られる薬だ。月経困難症などの子宮疾患の治療薬としても使用される。しかし、副作用のイメージが根強く、国内ではなかなか普及が進まないのが現状だ。日本家族計画協会(東京都新宿区)の北村邦夫理事長は「正しい知識を持って服用すれば、ピルは安全性と効果の高い薬」と話す。

自分に合ったライフスタイルのため、ピルを上手に活用して

 ▽避妊には低用量

 ピルは、卵巣から分泌される女性ホルモンと同じ作用を持つエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)から成る。エストロゲンの含有量で、超低用量、低用量、中用量、高用量に分けられ、避妊に用いられるのは低用量ピルだ。妊娠中は排卵が停止し、子宮内膜や子宮頸管(けいかん)に変化が起こるが、ピルはこれと同じ偽妊娠状態をつくり出すことで高い避妊効果を生み出す。

 また、1錠中のホルモン量が変わらない「一相性ピル」と、3段階に変化する「三相性ピル」がある。避妊効果に差はなく、どちらも月経1日目から21日間服用して7日間休薬というサイクルを繰り返す。

 休薬2~3日目に月経があるので、月経周期を仕事や旅行に合わせて安定させることも可能な上、排卵が起こらないため月経量や月経痛は軽減する。北村理事長は「長期間の服用も可能で、服用を中止すれば大半は3カ月以内に排卵を伴う正常な月経が再開します。服用で妊娠しにくくなることはありません」と説明する。

 ▽正しい知識は重要

 ピルの処方は医療機関に限られる。避妊目的では自費診療となり、費用は医療機関により異なるが、同クリニックでは月に2~3千円程度だ。

 ただ、国内の普及率はわずか2.9%で、理由の半数以上が副作用が心配だからというもの。北村理事長は「低用量ピルはホルモン用量が少なく、安全性が極めて高いのが特徴です。服用し始めの頃は、吐き気や乳房の張り、頭痛や性器出血などの症状が出ることがありますが、大半は2~3カ月で消失します」と強調する。

 ただし、服用の留意点もある。初期には血栓症のリスクが高まる。また、エイズや結核、カンジダ、てんかんなどの治療薬を服用している場合は、薬効に影響が出るので医師に相談する必要がある。喫煙、高血圧、極度の肥満のほか、糖尿病や肝障害、心臓や腎臓の病気がある場合も医師の診断が必要だ。

 現代女性は妊娠しない期間が長く、月経が体の負担になっているという。「ピルを活用して、より自分に合ったライフスタイルを手に入れてください」と北村理事長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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