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睡眠中の歯ぎしりは約20%の子どもに起こり、年齢とともにその割合は減る。初めて子どもの歯ぎしりと睡眠周期との関係について研究を行った、大阪大学大学院(大阪府吹田市)歯学研究科の加藤隆史教授に聞いた。
▽睡眠に影響
歯ぎしりは「睡眠時ブラキシズム」という睡眠中の異常現象の一つ。不安やストレス、睡眠や発達の障害などが関係するとされているが、発生のメカニズム、睡眠の質との関係などの多くの要因が明らかではなかった。
加藤教授らは、睡眠の病気や発達の障害がない6~15歳の子ども44人を対象に、一晩かけて睡眠検査を実施し、歯ぎしりをする子どもの割合、起こるタイミングやその時の脳波などを調べた。その結果、27.3%の子どもが該当することが分かった。
睡眠中には、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が周期的に起こる。歯ぎしりは、レム睡眠に移る前の浅いノンレム睡眠で起こりやすいが、起こる子どもと起きない子どもでは、睡眠周期のバランスや睡眠の深さに差はなかった。
「子どもの歯ぎしりが不安な保護者も多いと思いますが、6歳をピークにその後は減少することも分かっています。睡眠を十分に取れているのであれば、特に心配ないでしょう」と加藤教授は話す。
▽痛みなどに注意を
一方で、睡眠専門や歯科の医療機関の受診が勧められるケースもある。歯ぎしりに加えて、眠りが浅く、いびきや日中の疲れやイライラがあったり、歯がすり減ったり、顎に痛みがあったりする場合などだ。
中には、てんかんなどの病気が隠れている場合もある。加藤教授は「歯のすり減りが、歯がしみる原因となる可能性もあります。その場合は、食事が十分できるよう、症状改善のためにも歯科を受診しましょう」と勧める。
「歯ぎしり自体は悪いことばかりでなく、睡眠中に顎を動かすことで狭まった喉を開き、呼吸をしやすくするメリットや、咀嚼(そしゃく)機能の発達にも関係する可能性も考えられます」
加藤教授らは、研究を発展させ、子どもの歯ぎしりの診断、重症度の基準などを確立したいとしている。客観的な基準が確立することで、治療が必要なケースなどが明確になると期待される。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/11/25 05:00)
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