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眼圧の数値が正常値より高い高眼圧症は、放置すると緑内障のリスクが伴う。ふじもと眼科(兵庫県西宮市)の藤本竜太郎院長に高眼圧症と緑内障との関係について聞いた。
房水の排出がうまく機能しなくなると眼圧が上がる
▽眼圧は日々変動
眼球内では、各組織に栄養を与える房水(ぼうすい)が産生と排出のバランスを調整している。房水は隅角(ぐうかく)という部分から眼球外に排出されるが、うまく機能しなくなると眼圧が高くなる。眼球内壁にある視神経も圧力が高まった房水によって過度に圧迫され、やがて緑内障へと進行する。
日本人の眼圧の正常上限値は20mmHgとされるが、眼圧は1日の中で3~6mmHg変動し、最高眼圧は午前中に、最低眼圧は夕方から夜間に示されることが多い。
眼圧が著しく高くなる原因として、落屑(らくせつ)緑内障やぶどう膜炎などのほか、網膜血管の閉塞(へいそく)による血管新生緑内障、ステロイド薬の長期投与によるステロイド緑内障などがあり、眼圧を下げるためには原因となる病気の治療が優先される。
これらに当てはまらないものは原発性に分類され、隅角の閉塞が原因のものを原発閉塞隅角緑内障、隅角が詰まっていないのに緑内障に至るものを原発開放隅角緑内障と呼ぶ。
「視神経や視野に異常がない段階の高眼圧症が、原発開放隅角緑内障に移行する割合は年間1~2%にすぎないので、眼圧が正常値上限をわずかに超えたからといってすぐに治療をする必要はありませんが、眼圧が24mmHg以上では5年後に緑内障へと進行しやすいことが分かっています」と藤本院長。
▽近視や高齢者も注意
ただ、緑内障には眼圧が正常である場合の方が圧倒的に多く、疫学調査では眼圧が21mmHgを超える原発開放隅角緑内障の割合が0.3%だったのに対し、眼圧が正常範囲内での緑内障の割合は3.6%と高かった。
緑内障の危険因子として「眼圧が高い」ほかに「近視度が強い」「年齢が高い」ことも挙げられる。藤本院長は「40歳以上で強い近視の人は、眼圧が高くなくても緑内障に気を付ける必要があるでしょう」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/05/28 05:00)
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