治療・予防

40歳過ぎたら緑内障検査を
早期発見で失明防ぐ 東京大学医学部眼科学教室 本庄恵准教授

 日本で中高年の失明原因として最も多い緑内障。早期に治療をすれば失明は避けられるため、日本眼科医会などの専門家らは「40歳を過ぎたら一度は眼科で検査を受けて、早めに気付いてほしい」と呼び掛けている。東京大学医学部(東京都文京区)眼科学教室の本庄恵准教授に話を聞いた。

緑内障患者の物の見え方

 ▽眼圧が正常でも緑内障に

 緑内障の原因の一つは、眼圧の上昇だ。眼球内を満たす房水という体液が、新たに作られた量と同じだけ排出することで眼圧は一定に保たれている。何らかの原因で作られる量が増えたり、排出量が減ったりしてバランスが崩れると眼圧は上がる。しかし近年、眼圧が正常範囲でも緑内障になる正常眼圧緑内障が増えており、日本では緑内障の8割を占めるという。

 正常眼圧緑内障の原因として考えられるのが、高齢と近視だ。日本は高齢化率の上昇に伴い、2020年の推定患者数は400万人とされ、今後もさらなる上昇が見込まれる。

 ▽眼圧とOCT検査で早期発見を

 一方、若い世代でもスマートフォンやタブレット端末などの画面を長時間、近距離で凝視する機会が多く、使用開始年齢も若年化しているため、近視人口も増加傾向にある。そのため、緑内障は高齢者だけでなく、30代でも発症するケースがある。

 緑内障の検査には、〔1〕眼圧〔2〕視野〔3〕眼底―の三つがある。中でも眼底検査は最近、3次元(立体的)画像で眼球を撮影できる光干渉断層計(OCT)検査が早期発見に有用とされ、多くの眼科で取り入れられている。

 いずれの検査も痛みはなく、健康保険が適用される。「一度検査を受けて異常がなければ、次は5年後でも大丈夫です」と本庄准教授。治療の基本は薬物治療で、第1選択は眼圧を下げる点眼薬だ。日本で開発された新しい作用メカニズムの点眼薬も発売されている。

 このほか、身体への負担が少ない低侵襲手術もあり、人工的に房水を目の外に排出することで、眼圧を下げる機器の開発も進んでいる。

 発症初期から中期は自覚症状に乏しいため見過ごされやすく、視野が部分的に欠けて見えにくくなる末期に医療機関を受診するケースが大半だという。そのため本庄准教授は、「OCT検査で緑内障を早期に発見できれば、日本の失明率も間違いなく下がるでしょう」と検査の重要性を強調する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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