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滑舌が悪くなったり、食事のときにむせたり、かめない食品が増えたりする「オーラルフレイル」。東京医科歯科大学病院(東京都文京区)摂食嚥下(えんげ)リハビリテーション科の戸原玄教授に、要介護状態の前兆とも考えられる症状を早期発見し、適切に予防、対策を取るためのポイントを聞いた。
のどの筋肉のトレーニング
▽要介護状態の前兆
オーラルフレイルは加齢による心身の衰え(フレイル)の一つで、食べ物をかんだり、飲み込んだり、話したりするなど口に関連した機能が低下しつつある状態を指す。
「こうした状態を放置すると、必要な栄養を取れずに身体機能が低下するだけでなく、認知機能や社会性にも影響が及び、要介護状態のリスクが高まる可能性もあります」と戸原教授。
例えば、かめない食品が増えると、食べることへの関心や食欲が薄れ、楽しみだった家族や友人たちとの外食も面倒になる。このような心身の機能、社会性の低下は症状の進行を招く。重症化すると、食べ物と一緒に細菌が気管に入って起こる誤嚥(ごえん)性肺炎の原因にもなる。
「早期発見するには、1年前に比べてかみにくい物が増えた、食べる量が減った、体重が減少した、外出する機会が減った、人と会うのが面倒になった―などの変化を見逃さないことが大切」
自分や家族にこのような変化が見られたら、重症化する前にかかりつけの歯科医師に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらう。
▽本気のカラオケも予防に
オーラルフレイルになる主な原因は、かむ力と飲み込む力が低下することにある。そのため、日ごろから歯や義歯のケアに努めてきちんとかめる歯にしておく。
飲み込むときに働く、のどの筋肉(舌骨上筋=ぜっこつじょうきん=)を鍛えるためには、朝夕2回、口を10秒間思いきり開け続けるトレーニングが有効だ。
楽しみながらできる方法として、カラオケで本気になって歌うことも効果的。「できれば高い声域、速いテンポの曲を選び、口周りの筋肉に力を入れ続けるイメージで、汗が出るくらい真剣に歌うと効果的です」と戸原教授は勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/08/10 05:00)
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