治療・予防

脳へのダメージが原因=生活に支障も―高次脳機能障害

  「感情のコントロールができない」「気が散りやすく、やる気がない」「物覚えが悪い」「いき当たりばったりの行動を取る」「こだわり過ぎる」―。今まで見られなかったような症状が原因で対人関係がぎくしゃくしたり、仕事や家事に支障が出たりしたら、高次脳機能障害の可能性がある。

 ◇全国でおよそ50万人


 高次脳機能障害は、脳卒中くも膜下出血脳腫瘍、交通事故や頭部のけが、低酸素脳症などによる脳の損傷が原因で起こる。大脳の知的活動をつかさどる部分の障害であり、さまざまな症状の総称だ。

 東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京都狛江市)リハビリテーション科の渡辺修教授は、全国で約50万人が高次脳機能障害を抱えているとみている。「記憶障害が頻繁に見られます。左脳に障害があると、自分の話したいことをうまく言葉にできません(失語症)。人の顔が判別できなかったり(失認証)、道具がうまく使えなかったりもします(失行症)。一方、右脳に障害があると食事の左半分を残したり(半側空間無視)、よく知っている場所で道に迷ったりします(地誌的障害)」

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