くも膜下出血〔くもまくかしゅっけつ〕

 脳の動脈は、太い内頸(ないけい)動脈と脳底動脈が頭蓋内に入って動脈の輪(ウィリス輪)をつくります。さらにここから前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈が分岐していきます。
 これらの太い動脈の分岐部には動脈のこぶ(動脈瘤)ができやすく、これが血圧の上昇などで破れたものがくも膜下出血です。動脈瘤のある場所は、脳の底部で脳の外にあるため、出血は脳の外のくも膜下腔(くう)にひろがります。
 50歳以下のくも膜下出血は先天的な動脈瘤によることが多く、60歳以上の場合は動脈硬化症から動脈瘤が生じることが多いのが特徴です。


[症状]
 くも膜下出血の特徴は強い頭痛です。突然いままでに経験したことのないような頭痛がはじまります。これに先だって、がくんと脱力発作を起こすこともあります。痛みははじまると朝も晩も同じ強さで続きます。
 多くの場合にはただちに意識障害が進行し、1時間以内に呼吸がとまることもあります。くびはカチカチにかたくなり、眼底には網膜の前に出血がみとめられます。破れた動脈は収縮し、その結果、脳梗塞を併発することもあります。

[診断]
 CT(コンピュータ断層撮影)検査では脳と頭蓋骨の間に白い出血が見えます。髄液検査では血性の髄液がみとめられます。血管造影では、破れた動脈瘤を見つけることができます。最近では脳ドックで未破裂動脈瘤がしばしば見つかるようになりました。

[治療]
 破裂した動脈瘤は脳外科で開頭手術をし、クリップをかけてふたたび出血しないようにします。破裂動脈瘤を手術せずに放置しておくと、1カ月後の死亡率は50%に達するとされています。
 近年では血管内から動脈瘤内に細く長い管を送って閉塞し、治療することも可能になりました。
 ただいずれの方法も部位や年齢、また動脈瘤の状態によって手術に危険性があり、術中・術後に死亡することもあります。未破裂動脈瘤を放置した場合の破裂の頻度は年間1%以内とされ、十分なインフォームド・コンセントが必要です。
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