2024/12/06 17:18
キャラクター活用による病院内での心地よい空間づくりの取り組み
研究成果の概要
【背景】
うつ病はこころの風邪ともいわれていますが、風邪のようにすぐには治らず、回復までには時間がかかります。また再発することもあるため、長期の治療が必要になることがあります。そのため患者さんはもちろんとてもつらい思いをするのですが、一緒に過ごすご家族もストレスの多いつらい時間を過ごすことになり、ご家族も精神的に不調をきたすこともあります。
統合失調症をはじめとするいくつかの精神疾患では、家族へケアすることが、家族が健康になるだけでなく患者さんの病状も改善させたり再発を予防したりすることがわかっています。うつ病の場合も治療ガイドラインなどでは家族ケアは推奨されていましたが、推奨するための明確な治療効果に対するエビデンスは得られていませんでした。今回、私たちはメタアナリシスという方法で、それを確かめることができました。
【研究成果のポイント】添付
・うつ病患者さんのご家族に家族心理教育という方法のケアをすると、していないグループに比べて患者さんの症状改善が促進されることがわかりました。
【研究の意義と今後の展開や社会的意義など】
・うつ病は治りにくい方もおられるので、長期間療養することでご家族も疲弊していきます。家族がストレスを抱え疲れていると、患者さんにも良い影響はありません。
・まず、家族のケアを行い、家族が少しでも安心して余裕をもって日々の出来事に対処できると、結果的に患者さんの病気の改善を促進することになります。
・医療者は、患者さんはもちろんのこと、ご家族のことももっと気にかけてケアをする必要があります。
【用語解説】
家族心理教育:
「教育」という言葉はありますが家族を教育することではありません。ご家族の心のケアをしながら、患者さんの病気や治療、生活に必要な情報提供をし、その上で日常で困っているいろいろなことを一緒に考えて困りごとに対する対処方法を増やしていくケアの手法です。
メタアナリシス:
すでに出版されているいくつかの同じような研究結果を統計的に統合して結果を示すことです。ひとつひとつの研究では被験者が少なくて十分にわからないことも、メタアナリシスをすることで新たにわかることがあります。
【研究助成】
文部科学省科研費 JP19H03936
【論文タイトル】
Effectiveness of family psychoeducation for major depressive disorder: systematic review and meta-analysis.
【著者】
1香月富士日、2渡辺範雄、3山田敦朗、4長谷川貴昭
1名古屋市立大学大学院看護学研究科
2蘇生会総合病院
3名古屋市立大学大学院医学研究科
4名古屋市立大学大学院医学研究科
【掲載学術誌】
学術誌名 BJPsych Open (British Journal of Psychiatry Open) 8 e148,1-10, 2022.
DOI番号:https://doi.org/10.1192/bjo.2022.543
【研究に関する問い合わせ】
名古屋市立大学 大学院看護学研究科 教授 香月富士日
住所:名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
E-mail:katsuki@med.nagoya-cu.ac.jp
【報道に関する問い合わせ】
名古屋市立大学 総務部広報室広報係
住所:名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL:052-853-8328 FAX:052-853-0551
E-mail:ncu_public@sec.nagoya-cu.ac.jp
(2022/08/17 09:56)
2024/12/06 17:18
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